-Japanese Soul-
□☆ tsim Affettuoso
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今日も、居るかな。
俺は、期待して同じ時間に、行くようになってた。
「あ、いた。」
アイツを見つけると、頬が緩む。
そろそろ時間だな。
腕時計を見たアイツは、帰るためにココを通る。
「なぁ、毎日よく飽きないな。」
アイツは、いきなり声を掛けたせいか、ビクッと体を跳ね、キョロキョロと辺りを見回すと、自分を指差し首を傾げた。
何なんだ、この可愛さは…
「お前しかいねーだろ。」
「あ…エヘヘ、散歩です。近所に住んでるので。」
はにかんだ笑顔がまた、可愛さを増した。
「名前教えてよ。」
「え?」
「俺は、広臣。臣で、いいよ。お前は?」
「え…あ、隆二です。」
「隆二、明日も来るんだろ?」
「はい。」
「じゃ 、また明日。」
「はい、じゃ、また。」
頬を赤らめて帰っていった隆二を見送り、俺は海に向かった。
少しすると、ピアノの演奏が聞こえてくる。
ホントに綺麗な音だな…