-Crystal of snow

□Voice 2
2ページ/4ページ

昼ご飯も食べたし、何しようかなぁ。


おひとり様は、自由で気楽なんだよね。
だから、彼氏が欲しいとか、欲が無くなってる。オバチャンになった証拠だな…


「コーヒー買ってきて、DVDレンタルでもするかな。」


ちょっとだけお化粧して、スエットからそれなりの格好に着替えた。一応ね…一応…


DVDをレンタルして、テイクアウトのコーヒーを買いにCafeに向かう。


「う…」


重なる時って、ホントにあるよね〜


「おぅ」


Cafeの入口で、バッタリ…


私の手元を見た照は、


「用事って、ソレ?」


レンタルの袋を指さした。


「そ…そーですよ。何か?」


強気に出てみたけど、結局嘘ってバレてるよね…


「あ、そーだ。ちょっと、俺の家来てよ。」


はぁ?いきなり女を家に呼ぶ?


「何で?」


「いいから。すぐそこだって。コーヒー奢るよ(笑)」


照って、こんな風に笑うのか。


って、見惚れてる場合じゃないし…


「いや、遠慮する…」


幼なじみだって、さすがに家に行かないだろ。


「母さんが、大量に野菜持ってきたから、持って行ってくれ。頼む!」


照が、拝むように手を合わせる。


照のお母さんなら、やりかねない(笑)


いつも、お裾分け!って家に何かと持って来てくれてた。


「ぷっ。お母さん、相変わらずなんだね。」


「近所ってことで、頼むよ。腐らすより良いだろ?」


「わかった。もらったら、帰るね。」


「OK」


コーヒーを片手に、照の家へ向かった。


「ウチから近っ…」


この辺は、学生も多いためか、ワンルームのマンションやアパートが沢山ある。


こんなに近いとは、思わなかった。


部屋の前で、待っているとじゃがいもや人参が入った袋を、手に照が出てきた。


「コレ。よろしく。」


「ありがと。じゃ。」


「あ、なぁ、ソレ何借りた?」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ