-Japanese Soul-

□☆ tsim Affettuoso 2
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あの日から、隆二からの連絡は無い。



「はぁ……」



「臣、何かあったのか?ため息、うるせーぞ。」



ナオトさんが、カウンターで頬杖をつきながら俺を睨む。



「すんません……はぁ…」



「大会明後日だろ?そんな調子で大丈夫か?」



直己さんも、ナオトさんと並んで俺を見ていた。



「そん時は、ちゃんとやりますよ。…はぁ……」



「あーーーもぉ!帰れ!うっとおしい!」



「あ、はい。……お疲れ様でしたぁ。」



ナオトさんの一言で帰ることとなった。



波、乗っておこうかな。



そしたら、考えなくて済むだろうし。



自転車の横にボードを乗せて、いつものポイントへ向かう。



あの日以来、ココでも隆二の姿を見ることは無かった。



やっぱり、嫌だったのか…



男同士だもんな。



酔った勢いとは言え、やりすぎたか…ホントは酔ってないけど……



ボーッとしながら、支度を整えてビーチに向かう。



何本、乗っていたんだろう…
パドリングの腕が上がらない。



俺はビーチに戻って、寝転んだ。



ピアノの音が聞こえる。



隆二、居るんだな。



なんだか、いつもより弱々しい音色に心配になった。



俺のせい…?



自惚れてるかな……



謝りに行く?



家分っかんねー



あとで、メールしよ。



失恋なんて、何年ぶりだよ…



俺はボードを抱えて、帰る支度をした。



家に戻り、ビールを片手にスマホを取り出すと、『この間はゴメン。』ただ一言入力し、送信した。



すぐに既読になるが、返事は無い。



やっぱり、怒ってるのか…



いくら待っても、返事は来ない。



俺はスマホをベットに投げ捨て、寝転がった。
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