-Japanese Soul-

□☆ tsim Affettuoso
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「ふぅ、休憩…」



サーフボードを転がし、俺も寝そべる。



「あっついなぁ…」



まだ、梅雨にもなっていないのに、真夏のような暑さだ。



目を瞑っていると、綺麗なピアノの音色が聞こえてきた。



最近見つけたサーフィンのポイントは、決まった時間にピアノの演奏が聞こえる。



どんな子が弾いてるのかな。



きっと、白いワンピースが似合う様な女の子なんだろうな…
なんて、ココに来る度にそんな想像をしていた。








「ありがとうございました〜」



常連客を送り出し、店内に戻った。



普段は、サーフショップで働いて、一応プロサーファーを目指してる。



「臣、今日はもう上がっていいぞ。」



店長の直己さんが声を掛けてくれた。



「は〜い。じゃ、お疲れ様っす。」



平日は、客も少ないため、夕方前には上がらせてもらえることが多い。



仕事が終わると、自転車にボードを乗せ、海へ向かう。



いつものポイントに到着し、ボードを抱えてビーチに向かうと、
小高い堤防の上で、男が一人気持ちよさそうに海を眺めていた。



白いシャツに、白いパンツ。
細身の体には、よく似合っている。



沈み掛けの太陽が男を際立たせていて、とても綺麗だ。



目を奪われていると、男が腕時計で時間を確認し、帰るのだろうか、こちらへ向かって歩いて来る。



俺に気付いた男は、顔を赤らめて俯きながら横を通り過ぎて行った。



俺と同い年くらいかな?



髭面なんだけど、なんだろ…
色気というか…可愛い?



男が可愛いって…どーしちゃったのかな…



何故かアイツのことが、気になって仕方なかった。



それからアイツは、毎日同じ時間、同じ場所に居て、
決まって、腕時計で時間を確認して帰って行く。
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