-Crystal of snow
□Voice 2
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部屋に戻り、買ってきた物をキッチンで並べる。
「何作るの?」
「簡単な物しか出来ないから、期待しないで…」
「何やればいい?」
そばにいられると、緊張する…
「テレビでも見ててよ…」
「手伝う」
…やりづらいなぁ
「じゃあ、チャーハン作るから、ピーマンと人参と玉ねぎを細かく切ってください。」
「了解!」
そう言うと、照は楽しそうに包丁で、野菜を切り出した。
「こんなもん?」
「うん。」
二人で何だかんだ言いながらも、料理が出来上がる。
『 いただきます!』
「うまい。料理出来るのな?」
「簡単なものしか作れないけどね。」
チャーハンを頬張りながら、目を細めて笑う照を見て、心が満たされる。
でもこの状況は、偶然だ…
片付けが済んだところで、帰る支度をした。
「じゃ、帰るね。」
「ありがとな」
「おやすみ」
「またな」
玄関で手を振り、見送ってくれた。
”また”…か。ナイよ、きっと。