-Crystal of snow

□Voice 2
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朝起きると、昨晩よりも落ち込んでる自分がいた。


「あ〜!もぉ!掃除!掃除!」


いつも以上に、念入りに掃除をして、ノーメイク+スエットのままお昼ご飯の買い出しへ。


いつものルーティンなのに…なぜ?


「あっ…」


一番会いたくない人と、遭遇…


「おぉ…初めて会ったな(笑)」


照もスエットで、買い物をしていた。


本当に近くに住んでるんだ…
最悪な格好してるわぁ…


「じゃ…」


そそくさと帰ろうとした私に、


「昼飯一緒に食わね?」


オイオイ、この格好でメシて…


「遠慮しておく…この後用事あるし…」


苦し紛れの言い訳。


「そっか。またな。」


あっさりと引き下がる。


良かった、照で…


これからは、ちゃんとしないとな…


離れて行く、照の背中を見送る。


1晩で、照の存在が大きくなりすぎた。


ずっと、何もなかった時間が嘘みたいに縮まった気がする。


幼なじみと言いつつ…初恋だったりもする。


小学生の時に、男の子と喧嘩になった時に、助けてくれた事がある。


ドッヂボールで当たりそうになると、ガードしてくれた。


キャンプファイヤーで、薪を運んでいたら、手伝ってくれて…


思い返せば、照って私の傍に居てくれてたんだなぁ。


高校が離れてしまって、部活で全然帰ってこない照の部屋を見つめていたこともある。


もちろん、彼女が居たことも知ってる。


お母さん達、そういう話好きだから、全部教えてくれてた。めちゃショックだったなぁ。


私にも、彼は出来た。でも、何か違ったんだよね。学生時代の彼とはスグに別れてしまってた。


入社式で照を見つけてからは、会わないように避けてたのもあるけど、仕事を覚えるのに必死だったから、照を忘れられたのかも。


もう、5年が経つ。


早いなぁ。既に、御局状態だわ(笑)
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