Dream
□J … Office Love 8
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やることは限られているが、仕事に没頭していた。
彼等と関わらないように…
彼等の事を考えないように…
郵便局へのお遣いも終わり、お昼休憩の時間を迎える。
いい天気だから、外で食べたいなぁ〜
自席で伸びをして、後ろに気配を感じ見上げると、会議から帰ってきた岩ちゃんが、覗き込んでいた。
「最近、屋上行かないですね?」
「階段が怖くて…情けないよね。ハハッ」
「一緒に行きます?お供しますよ♪」
王子スマイルで誘ってくれる。
「ん〜暫くいいや…」
「行きたくなったら、いつでも言って下さいね。」
「うん。ありがと。」
今は、会社の階段だけでなく、駅や何処でも、階段を目の前にすると躊躇してしまう…
少し前に、会社のエレベーターが点検中で、階段しか手段が無く、登るのに躊躇っていると、隆二くんが心配そうに声をかけてくれた。
「俺、後ろにいるから、ゆっくり上りなよ。」
そう言って、エスコートしてくれて、無事事務所までたどり着いた。
「…ありがと。凄く助かった。」
「泣きそうな顔してたから。」
優しい笑顔で頭をポンポンとしてくれるから、ドキドキが止まらない…
この笑顔好きだな。
それにしても、階段克服できるのかな…
漸く一ヶ月が経ち、検査の為、病院を訪れた。
検査の結果は、頭部に異常は無く、ギプスも外してもらえることになった。あとはリハビリをしっかりやるように。と。
記憶については、以前と変わらず、戻らない可能性が高いと言われた…
ギプスが外された腕は、やせ細って青白く、看護師さんがタオルで拭いてくれて、やっと血の気が戻った気がする。
ん〜、なんか自分の腕じゃないみたい…(笑)
グッパグッパと手を動かすと、多少の痛みはあるものの、動かせる事に喜びを感じていた。
「無理して動かさないようにね。」
「は〜い。(笑)」
亜紀に、ギプスが外れた報告をする。
『無事、ギプス外れました!今日まで、ありがと♡今度何か奢らせて下さい!』
すると、すぐポンとLINEを受信。
『おめでとう! 』のスタンプが来たかと思えば、『今週の金曜日空けておくわ♡』なんて可愛い絵文字付きで返信があった。
『OK!店は任せたよぉ♪』
『了解!任せとけ!』