Dream

□J … Office Love 6
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「おっせぇな。アイツ何やってんだよ。」



何度か電話をしたが、繋がらない。



しおりからの返事が来てから、結構な時間が経ってる…



「隆二、しおり知らない?」



「知らないよ?何かあった?」



「頼みたいことあったんだけど、戻って来なくて。ま、いいや。」



どっか行くなら連絡くらいしろって!ったく。



今まで、こんな事なかったのにな。



会議室に向かうと、外では救急車のサイレンが鳴り響いていた…







ここは?



薄ら目を開けると、天井が広がっていた。



体を動かそうとしても、痛みが走り、思うように動かない。



「目、覚めた?看護師さん呼ぶね。」



亜紀が泣きそうな顔で、傍にいる。



「私どうしたの?」



「記憶ない?階段の下で倒れてて、通り掛かった人が助けてくれたの。」



「そうなんだ。足でも踏み外したかな?ヘヘッ」



誰か居たような気もしたけど、曖昧な記憶だったから、言うのはやめた。



ドタドタと廊下を走る音が近づき、勢い良くドアが開く…



「しおり!!!大丈夫か?」



「心配だろうから、連絡しておいたよ。」



私の名前を呼ぶその人を見て、首を傾げた。



「亜紀…誰?」



その場に居た、お医者さんと看護師さん、亜紀と私の名前を呼んだその人が、一斉に固まった…



お医者さんが言うには、一時的な記憶喪失だろうと…



結局、左肩と左腕の骨折と、腰にヒビが入って、全治1〜2ヶ月。頭を打っていることもあり、精密検査で1週間、入院することになった。



「亜紀、ごめんね。迷惑かけて。」



「全然気にしないで!必要なモノあったら、連絡してね。それにしても、隆二ショックだっただろうね。」



顔を見ても、声を聞いても、やっぱり思い出せたなかった。



「彼氏なんだもんね…でも、わかんないの…」



「ゆっくり思い出せばいいよ。隆二も言ってたじゃん。」



「……うん。」



私って、あんなイケメンと付き合ってたんだ…
なんか、申し訳ないな…















昼休みが終わる頃、会社の近くで救急車のサイレンが響いていた。
近くで何かあったのかな?くらいにしか思わないで、パソコンに向かっていた。



臣がしおりを探しているらしいが、まだ席に戻って来てもいない。



別件で、何かあったかな?
帰ってきたら、伝えよう。



また、救急車がけたたましいサイレンを鳴らして、去っていった。



少しすると、亜紀からLINEが入る。



めずらしいな…と思いながらも、画面を見て固まった…



『しおりが階段から落ちて意識不明!病院わかったら連絡する!』



え?嘘だろ?



とにかく、病院行かなきゃ!



『すぐ行くから、病院がわかったら電話して!』



臣を探すが、会議なのか席に居ない。後で伝えよう。



取り敢えず、ナオトさんへ事情を説明して、亜紀から教えてもらった病院へ走った。



ドアのを開ければ、亜紀と話すしおりが、ベットに寝ている。



「しおり!!! 大丈夫か?」



「亜紀…誰?」



しおりの言葉に固まる…
記憶喪失?
でも、亜紀と普通に会話してるし…



その場に居た医者からも、一時的な記憶喪失だろうと言われた。
何かの切っ掛けで思い出すこともあるし、もしかしたら、このまま思い出せないかもしれない…と。



「まずは、怪我を治してから、ゆっくり思い出してくれればいいから・・・また、来るよ。」



さすがにショックが隠せなかった。




事務所に戻り、ナオトさんと直己さんに報告をする。やはり、驚いていた。当たり前だよな…



席に戻っていた臣と、岩ちゃんをラウンジへ呼び出し、しおりの事を伝える。



「記憶喪失…か…」



「俺、定時後に見舞い行ってきます。」



「ギリかもしれないけど、俺も行くわ。」



二人ともしおりの記憶が何処まで残っているか、不安なんだろう…
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