2月14日
乙女達のイベント"バレンタインデー"
よって、誰がなんと言おうと"乙女"な私のテンションが上がらないわけがないのであった
──────………‥‥
『やっほー!
いつになく不機嫌だね!獄寺!!』
「んだよ、てめーはいつになくうぜーな」
いつも以上のしかめっ面で机に頬杖をついてケータイをいじる獄寺
不機嫌な理由は、きっと朝からキャーキャー騒いでチョコ片手に彼に詰め寄る女子のせいだろう
『いやー、朝っぱらからモテにモテまくってましたね』
「ひやかしにでも来たのかよ?」
やっとケータイから目を離したかと思うと、心底めんどくさそうな顔(よくそんなダルそうな顔できるねってレベルの顔)で私を見た
「だいたいオレはこんなイベント、キョーミねーんだよ」
そういえば、彼の回りにそれらしき物は一つも見当たらない
悲しそうに泣いている女子もしばしば……
『あんた青春損してんね
こういうイベントこそ楽しもうよ
せっかくイケメンなんだから……』
ハァ……と溜め息混じりにそう言うと、ぽわっと獄寺の顔が赤くなる
なんだ、私今変なこと言った!?
『なぜそこで赤くなる』
「バッ、赤くなってねーよ!
ふざけんじゃねー!!」
わーお、なぜにこんなにキレられねばならんのだ……
そんなことを考えていると、ふと本来の目的を思い出した
『あー、じゃあコレいらない?
チョコ嫌いなんだったら無理にとは言わないけど……』
後ろ手に隠していたチョコを差し出してみると、驚いた様子の獄寺
ふっふっふ…私にこんな家庭的な一面があったとは思わなかっただろ!
「……もらってやる」
『え?食べてくれんの!?』
「か、勘違いすんなよ!
てめーは10代目が仲良くしてらっしゃるから、10代目の顔を立ててもらってやるだけだからな!!」
真っ赤になって怒鳴り散らす獄寺
なんかよくわかんないけど、1stミッションクリアー
『ホワイトデーよろしく!!』
そう言い残して、私は次なるミッションへと向かった……