花になれっ!
□花が笑む頃
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「あ、れ、」
「おはよう、名無しさん」
目が覚めれば、見慣れた天井。
隣りには、プラチナがいて。
「よく寝てたね、もう家に着いてるよ」
どうやら、わたしが眠ってるうちにローズウッド家に帰って来たみたいだ。
見慣れたそこは、わたしが育った、プラチナのお家。
「疲れてただろうから、よく眠ってた」
「っ、」
くすくすとプラチナが意味ありげに笑って、頬が赤くなる。
飛行機の中でのことを言ってるんだろう、ひどく楽しそうに笑って。
「っ、シャワー浴びてくる」
「うん、じゃあ僕も」
「っ、だ、だめ、!」
「ダメじゃない、お仕置は終わってないよ」
「まだ、?」
恥ずかしくなって、慌ててシャワーに逃げようとしたけど、プラチナからは爆弾発言。
まだまだ続きそうな予感に、ますます体が熱くなって。
「冗談だよ、入っておいで」
「っ、もう、」
「出たら、一緒に朝食、食べよう」
「っ、……うん、」
ちゅ、と、キスを落とされて。
紡がれた言葉に微笑む。
いつもの日常に、戻ったみたいだ。
日本に行くまではこうして、暮らしてたから。
懐かしい、という程離れていたわけではないけど。
それでも久しぶりの日常に、自然と笑みが零れた。
花が笑む頃