「お菓子くれなきゃ悪戯するぞ、っと!」
「…は?」
不壊は思わず素っ頓狂な声を上げた。


極上の夢を召し上がれ(ハロウィン記念小説)



頭には真っ黒なとんがり帽子。ご丁寧に先端には星までくっ付いている。
マントはない。あるのはネコ耳とネコ尻尾と二の腕まであるネコ手袋。
白地のフリルが襟元に使われたシャツに黒のリボンタイとこれまた黒のサスペンダー、極め付けは黒の半ズボンと縞々ニーソックスだ。
「…兄ィちゃん…なんだその酷い格好は?」
「あー酷いとか言いやがったひでー!仮装だよ仮装!ハロウィンも知らねーの?」
ぷう、と頬を膨らまして不壊の腹をぼこぼこと叩きまくる三志郎。
「…しかしまた…あれか、ハルんとこの嬢ちゃんにやられたのか」
「コンセプトは『可愛く可憐に無敵に小生意気に』だってさ。清にも相当弄られたなあ…あいつ可愛いの好きだから」
それは多分違う、と不壊は否定したかった。とてもしたかった。
「で、」
個魔空間に逃げようとしていた不壊の腰を逃がすものかと三志郎が掴む。
爛々と輝く琥珀色。本物のネコみたいだ、と不壊はぼんやり思った。
「お菓子くれないと悪戯しなきゃいけないんだけど、」
赤くて小さな舌が唇を舐める。いつもと違う雰囲気と相まってか酷く扇情的だ。
「…フエはどっちが欲しい?」
だらだらと不壊の頬を汗が伝う。汗などかかない筈なのに。
これはピンチだ。据え膳だ。精一杯だ。
「…ッ、に、兄ィちゃんは、どうしたいんだよ?」
「え、」
ぷりぷりの尻が撫で回せとでも言うかのように揺れる。ああしっぽもゆれてるかーわいー。
「…俺は、フエのしたいようにするからさぁ、」
ネコの手が影を緩く掴む。意外とふわふわ。
「…はやく決めて?」
極め付けにきゅんとくる上目遣い。喰えといってるのかこいつ。発情か。ネコだからか。
「にゃあ」
「いただきます」





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なんて馬鹿なノリ。これは酷い。
不壊が酷い。なんて事だ。
東方の同人音楽聴きながら打ってたのがいけないのだろうか(責任転嫁)


これが最後の更新になります。
感謝を込めて、フリーとさせて頂きます。
どうぞサイトなんかに持ち帰ってやって下さい。


それでは、またどこかでお会いしましょう!



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