【短編書】
□クリスマス
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12月23日
様々なイルミネーションで彩られていく、クリスマス前の街中は、見渡す限り恋人たちでありふれていた。
そんな中、恋人の為にプレゼントを購入するために、色々な店の中を覗くが、女の子で溢れ、明らかに浮いている大は、ため息をつくと、店を後にする。
「何でどこも女しかいないんだよ」
ブツブツ文句を言いながら、街中を歩いている大は、次第に気持ちが落ち込んでいった。
「トーマに、クリスマスプレゼント、やりてぇのに」
クリスマス特有の模様がある店の鏡を見やると、小さなペアリングが置いてあった。
「…男同士で指輪ってどうだよ」
そう言うものの、大の視線はそのペアリングに釘づけだった。
中学生の小遣いで買える程の指輪を、大はそれがとても気になっていた。
「指輪…は、任務中にできねぇし…
でも…」
ジッとしばらくその指輪を見つめたまま、大はその店の中へと入っていった。
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