【短編書】
□思うが儘に side:M
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夢を見る
金髪の蒼い瞳が、俺の方を見て、何か言っている
「なんて言ってるんだ?」
そいつに問いかけてみても、聞こえない
何も…何も…
俺は、そいつに近づく
そいつは俺が近づくと逃げる
だから、俺は追いかける
何を言っているのか、知りたくて追いかける
追いかける程、相手は遠ざかって行く
「待てよっ!」
必死になって、頑張って、追いかける
それでもそいつは更にスピードを上げて遠ざかり、見えなくなっていく
「待てって!トーマっ!」
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