ひかりのおはなし 及川
□●ひかりはおう B
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「やぁ、戸隠さん。偶然だね」
「全然偶然じゃないと思います」
「あははっ。確かにネ。
まぁ、どうでもいいじゃん。
それより、今帰り?」
「そうですけど」
「この後バレー見にこない?
お姫様をお誘いに参りました」
少し怪訝な顔をする戸隠さん。そういう顔もいいなぁ。
「確かに今日は病院に行く予定はありません。けど、バレーに行く理由にもなりません」
「あのさ。この前、眩しすぎるって話したじゃない?」
? と頭にハテナマークを付けて頭を傾げる戸隠さん。
「俺ね、戸隠さんに光を当てたいんだ。
だって、すごくきれいだもん」
「な…何言っているんですか…」
頬を染めてうつむく。
「つきあいも悪くて友達もいない私に…」
「じゃあ、俺が一番目!
(でも、トモダチ以上を希望するけどネ!)」
手を差し出す。
「いこう。きっとバレーを気に入ってくれる!俺を見てればいいよ」
差し伸べた手におずおずと手を乗せてくれた。
「よし!マネージャー決定!」
「はい?…えっ!?」
「部活どこかはいってるの?」
「入ってませんが…」
「じゃあいきましょー!岩ちゃんに怒られちゃう!」
駆け出したい気持ちだけど、先生にも注意されちゃうし、戸隠さんもいるしね。
やっとつかまえた。