ひかりのおはなし 及川
□●ひかりみつけた @
2ページ/4ページ
体育館に入るなり
キャーッ
及川さぁーん
といつもの女の子たちの声。
いつもと同じように手を振って返す。
!
いつもと同じ風景に、いつもとは違う…
人
思わず体育館の2階に走っていた。
のぼると、先程声援を送ってくれていたコ達がいた。
「キャーッ及川さん来てくださったんですか!?」
「え…いや、うん。
聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「はい!何でもどうぞ」
「さっきまで、ここに君たち以外に誰か居なかったかな?」
「えー?私達だけだったよね?」
「うんうん」
「そっか」
気のせい?
「おい。及川!いつまでしゃべってんだ。部活はじまるぞ!」
「あぁ、ごめんごめん」
岩ちゃんの声で我に返り1階に戻る。
「どうしたんだよ。いきなり走り出して。あいつらなんか別に珍しくもないだろ?」
「ちがうんだ。あのコ達以外にもう一人居たんだ…いや、居たと思うんだ」
「はぁー?降りてきた奴も見てないし気のせいじゃないのか?
それより早く準備するぞ」
「う…うん」
バシッ
背中を叩かれた。
「主将だろ!シャキッとしろシャキッと!」
「痛いヨ!岩ちゃん」
この後は、いつも通りの練習風景だった。
本当に気のせいだったんだろうか。
あの噂通りの格好をしたコだったんだ…。