ひかりのおはなし 及川

□●かさなるひかり 完結
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「おかえり」


入院してから数日後、遥ちゃんは退院して部活へと戻ってきた。


「…ただいま」


部活が始まる前のミーティング。
全部員が揃って整列してる前に遥ちゃんは居る。


「皆様、部活を入院で休んでしまい、ご迷惑をおかけしました。もう大丈夫です。またよろしくお願いします」


いつ見てもきれいなお辞儀。


遥ちゃんと、女子とのいざこざは知られておらず、単に体調不良で入院したことになっている。


「無理すんなって言ったろ。
戸隠が入院して、ホント困ったんだ」

「岩泉くん、ごめんなさい」

「ったく。何が困ったって、
戸隠が帰ってきた時に、万全な笑顔で迎えるんだ
って、そこのウザいのが鏡に向かってキモい笑顔をつくる練習を毎日見なきゃならない、こっちの身になってみろ」

「わわ!岩ちゃん!それ言わなくてよくない?」


岩ちゃんの口を手で抑えにかかるが、ペシっとはたき落とされる。


「そうなんですか?及川くん」


首を傾げ控えめにこちらを伺ってくる。
岩ちゃん、皆の前でいらないこと言わないで欲しいなー。
一応俺、バレー部主将なんだけど。
面目ってものが。
でもまぁ、


「あ。うん。遥ちゃんを明るく帰ってこられるようにって。その位しかできないでしょ?」

「…ありがとうございます。
及川くんの気持ち伝わりましたよ」


遥ちゃんの笑顔にかなうものはないけどね。

今日の部活はもちろんサーブもトスもキレッキレだったことは言うまでもないよね。
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