ひかりのおはなし 及川
□●ひかりくるしむ G
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こーいう天気が良い日は外でお昼に限るよね!
お昼休みのチャイムと同時に遥ちゃんの教室へとむかう。
「遥ちゃん!おひる行こう」
「う、うん」
俺は遥ちゃんと並んで、屋上のあの特等席でご飯を食べた。
相変わらず日傘は必要のようで。
たわいもない話をして笑いあう。
そんな何でもないようなことが、楽しかった。
心が温かくなるような空間だった。
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何度か同じように過ごし、
また教室へ迎えに行った。
「遥…ちゃん?あれ?居ない」
お昼に会えなくても、部活には来る。
お昼はどうしたのかと聞くと、職員室に行っていたとのこと。
初めこそ納得したけど、
それが毎日続き、次第に部活も体調不良とかで、来なくなってしまった。
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さすがにおかしい。
前に話した時みたいに、放課後のチャイムと同時に下駄箱に走る。
「遥ちゃん!」
そこには、もう学校から出ようとしている遥ちゃんの後ろ姿。
「どうしたの?本当に体調悪いの?一言言ってくれればいいのに。
…俺のこと避けてる?」
「やっぱり、私にとってひかりは眩しすぎたんです。ひかりにとって私は邪魔だったんです」
「…どういう意味?」
ちらりと少しだけ俺を見たその目
は少し暗く潤んでいるようにもみえ…
俺の質問に答えず、それ以上振り返らず外へと消えていった。
その姿を呆然と見つめる。
ひらりと紙が足元に落ちた。
「…」
女子の嫉妬の強さを見ることになる。
その紙をぐしゃりと握りつぶし
姿の消えた先に向かおうとしたけど、
後ろから声をかけられた。
「こんなとこにいたのかよ。
部活いくぞ。
…どうした」
振り向いた俺の顔はどんな顔をしているだろう。
いつもと違うんだろう。
岩ちゃんがいつもと違う顔で見てきてるから。
「岩ちゃんさ、遥ちゃんから、何か聞いてる?」
「あ?今日も体調良くないから休むって連絡は貰ったけど」
「何で主将の俺に言わないんだろ」
「おまえだと、要件それだけで収まらずウザいからだろ?」
「別に変わった様子はなかった?」
「…自分の都合の悪いところは無視かよ。
変わったところといえば、体調悪いからなのか、少しやつれ気味だったかな…」
「岩ちゃんさ、俺ってモテる?」
「はぁ?今それ聞くか?
俺が試合中ムカつくのは、お前がキャーキャー言われることだって前にも言ったろ。ウザ川」
「…そっか」
「何か今日は別の意味で気持ち悪いな、おまえ」