ひかりのおはなし 及川

□●ひかりにあつまる E
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[岩泉視点]


今日は、烏野との練習試合。

あのクソ川、足を挫いたとかで、病院行ってからの参加とか、マジクソ川。

戸隠さんは、まだほかのメンバーと慣れていないのか、俺にずっとくっついてきている。

うちに、女子マネージャー他にいないから心細いのだろう。


「辛くないか?何かあったら遠慮なく言うんだぞ?」

「はい。ありがとうございます」


ふんわりした笑顔で返されて、俺の心も少しほぐれる感じがした。

…ちょっと緊張してたみたいだ。

体育館の準備をしていると時間通り烏野の連中がはいってきた。

「おねがいしゃーーーっす!!」


その勢いに
隣でビクッとする戸隠さん。


「おい、岩泉。戸隠はどこ行った?」


入畑監督に声をかけられた。


「ここにいます」

「どこだ?」

「ここです」


斜め後ろにいる戸隠さんを前に出す。
気配消すのうますぎだし。


「おお。戸隠。そこにいたのか。どうだ?気分は問題ないか?」


「はい。ありがとうございます。
あの…入畑監督。お願いがあるのですが。よろしいですか?」

「何だ?」

「あの…烏野に女子が一人居るのですが、マネージャーでしょうか?」


俺も見ると、ノートを持ったメガネ女子が一人。


「あぁ、マネージャーっぽいですね。監督」

「マネージャーなら、マネージャー業務など教わってきたいのです。無理でしょうか」

「よし。待ってろ」


入畑監督は向こうの先生に声をかけ、マネージャーにも声をかけて戻ってきた。


「いいそうだ。マネージャー業務学んでこい。
いい機会だな」

「あ、ありがとうございます」


入畑監督は、他のメンバーに声かけに行った。

俺は胸に手を当てた戸隠さんの方に向く。


「よかったな。…どうした?」

「き…緊張する。…あんなきれいな人に声をかけるなんて…」


戸隠さんも十分キレイだけど。

…キモ川の顔が浮かんだ俺は重傷か?


「ついて行ってやろうか?」

「いいえ。大丈夫です。岩泉さんは、試合に専念してください。
私もがんばりますから、
がんばってくださいね」


少し緊張した笑顔。
自然と手が伸び、頭をポンとたたく。


「おう。いってくる」


てててと烏野マネージャーの元に行き、深々とお辞儀をしていた戸隠。

向こうの先生とマネージャーは悪い人じゃ無さそうだ。
まぁ、安心して平気か。

…バレーの試合とは別物だけどな。
気合い入れないと。

及川が戻って来たとき、何て言われるか。
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