ひかりのおはなし 及川
□●やさしいひかり D
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遥ちゃんは
木曜だけ病院に行っていて、
月、金と塾に通っていたという事だった。
待ちに待った金曜日!
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴ると同時に走り出し、
ガラッ
「遥ちゃーん!部活行くよ!」
「え?あ、はいっ」
遥ちゃんはクラスの一番後ろのドア側に座っていて、ぐいっと腕を引っ張り体育館へと急ぐ。
「あ…あの…はぁ…おいか…はぁ…おいかわさん…」
「なぁに?遥ちゃん!」
遥ちゃんが呼ぶ俺の名前すてき!
じゃなくて。とばしすぎちゃったかな。振り向けば、息を切らした遥ちゃんがいた。
「ごめんね。走らせちゃって。大丈夫?」
「ん。平気…です。
そんなにバレー好きなんですね。早く行きたい…位に」
少し青い顔で弱々しく笑う顔を見て後悔する。
「バレーもだけど…」
? だけど?と首を傾げる君。
君もダヨなんて、まだ言えなくて。
いつもの俺なら女の子には言えるのに。
「そうだね。バレーは逃げないから。ゆっくり行こう」
「はい」
キミに逃げてほしくないから。焦らないようにしなくちゃ。
きっと不安でたまらないはずで、それを連れて行くんだから。
「本当に私で、つとまるのでしょうか」
「大丈夫だよ。遥ちゃんなら」
「あと、何で今日からいきなり下の名前で呼ばれているんでしょうか?」
「嫌だった?ほら。早く慣れて欲しいじゃない?
年上とはいえ、同級生だし。あまり歳のこと考えて欲しくないなって思って。
嫌ならやめるケド…」
伺うように顔をのぞき込むと、
うーんと悩んだ顔をして
「私もやるからには…ご迷惑かけたくないです。
それで円滑に進むのであれば」
と言ってきた。ちょっと違う気もするけど、OKでました!
でる前から使っちゃいましたけど!
そうして話しているうちに、体育館に着いた。