ひかりのおはなし 及川
□●ひのひかり A
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あの姿声が忘れられなくて。
次の水曜までにどうにかしてもう一度会いたい。
昼休み、一人校舎内を探し回る。
授業は全部受けているようだから、昼休みはどこかでお昼を食べているはず。
くまなく探せば、きっと見つけられる。
岩ちゃんにはストーカー?とか言われたけど、絶対違うから!
木曜金曜と、しらみ潰しに探す。
各教室、廊下、保健室、体育館、武道場、家庭科室、科学室…
どこもハズレだった。
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土日挟んで月曜日。
今日は的をもう絞ってるんだよね。
『屋上』
彼女の顔は噂通り透き通るような白さで直射日光が当たるようなところは無いと思ってたけど、もうここしか残ってないって言うのが本音。
キィ…と校舎の屋上への扉を開けると雲ひとつない青空が見えた。
朝晩はまだ冷え込むこともあるけれど、日中の日差しはだいぶ暖かい。
くまなくグルッとまわる。
カップルが一緒に食べてたり、友達同士で食べてたりしてる。
女の子たちのグループに一緒にお昼ご飯どうですか?と、聞かれた。
いつもならオジャマしちゃうとこだけど、今日はお断りさせて貰った。
広いところは全部見た。
でもいない。
残るはあのパイプ配管の先。
あまりふつうは行くところではない。
でも、そこに彼女はいた。