*一歩前へA*
□○新たな幕開け
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(GK long最終章からの続き)
[達海視点]
「「何やってるんですかーー!」」
朝早い、静かなクラブハウスに突如として悲鳴のような声が響いた。
そちらを向くと、ETUのメンバー達が、ものすごい形相でこちらを見ていた。
「よー。みんな。おはよ」
「おはよ。じゃねーよ。朝っぱらから何やってんだって聞いてんだ」
「何って、黒田、楓と朝のご挨拶だけど?」
「それが挨拶に見えるか?」
「やだなぁ。皆見てたのー?
盗み見なんて趣味悪いぜ?」
楓は、何が起こっているのか分からないと言ったポカンとした顔。
俺は不敵な笑みを浮かべながら皆を見渡す。
「皆見てたんなら、話は早いや。
俺達付き合うことに…」
「わーーーーーーーっ!!!」
「んだよ、世良。うるさい」
「聞かない!聞かないっす!」
被せるように世良が叫んだ。
「だから、楓と俺は付き合うことに…
うわっ!あぶね!赤崎!何すんだよ!」
「それ以上言うと、次は確実に狙いますから」
赤崎の足下には、いつの間に用意したのがボールが転がっていて、いつでも蹴れます状態になっていた。
さっきは、俺にめがけて一球飛んできたのだ。避けたけど。
「言ってやるよ。よーっくきけよ。俺達は…!って、次は何だよ!
椿か。離せ」
「い…嫌です。今回は話聞けません」
「…いい度胸じゃねーか」
「こ、今回は負けられないんです!」
椿が後ろから俺を羽交い締めしてきて楓から少し遠ざけさせられた。
「バッキー、よくやった。
…さて、カエ。
僕というモノがいながら、何をしているんだい?」
楓の思考は相変わらず止まってしまっている状態のようでジーノの返事が出来ないでいると、
皆から攻められるような強い視線を浴びせられた。
「え、えっと。あっと…」
少しこんがらがり始めた楓の前にドリが立った。
「楓、ほら深呼吸して」
言われるまま目を閉じ深呼吸をすると少し落ち着いたようだ。
「緑川さん、私…」
「楓は、どう思ってるんだ?」
「私は…」
周りは…