かふぇおれ関係から… 黒尾

□●オレ達の関係
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日に日にシロと真奈香の顔つきが変わっていく。
部活の間話す二人、通学路の二人。

どちらかと言えばシロは辛そうな顔から吹っ切れた顔へ。
真奈香も申し訳なさそうな顔から辛そうな顔へ。
そして、最近では俺と会う時まで変わってきた気がする。

真奈香の俺に対する態度まで。

いつもなら天真爛漫な明るい笑顔なのに、俺と話す時は目をそらすようになって、苦しそうな顔をする。


「バレー嫌なのか?別に続けなくても…」


一度聞いた。
合宿後もバレー部に付き合ってくれて、本当は受験勉強をしたくて仕方ないのではないか。
それを、俺に言い出せないのではないか。
そう思ったから。


「そ、そんなことないよ!楽しいよ!
うん。バレー楽しいよ。もっと早くやっておけばよかったなーなんて。ははっ。あ、私、先生に呼ばれてたんだったごめんね!」

「お、おお」


帰ってきた返事は慌てるようにまくし立てるように早口で言って、逃げるように走って行ってしまった。


「何、クロ、真奈香に何かしたの?」

「うわお!研磨か!ビックリした…。驚かすなよ…」


走り去る真奈香の後ろ姿を半ば呆然と見送っていると、背後から研磨に話しかけられ驚いてしまった。


「普通に声かけたつもりだけど…。
で、真奈香に何かしたの?
いつもの真奈香じゃないみたいだし」

「何もしてねえよ。俺が知りたいくらいなんだよな。そういう研磨と話す時はどうなんだよ」

「別に。普通。
でも、クロの話題を出すと顔色が変わるんだよね」

「ふぅん」

「何か困るんだよね。ギクシャクされると。早くどうにかして」

「どうにかしてって言われてもさあ。対策のしようが」

「…」

「…なに」

「どうして、真奈香の事になるとそう弱腰になるんだろ。
シロの方が積極的だよね」

「…研磨は俺とシロのどっちの味方だよ」

「みんな」

「そっか。ありがとな」



その数日後、1学期の終業式まであと1週間という時。
耳を疑う言葉が聞こえた。

それは、お昼の休み時間。
シロと一緒に食べて、シロが先生に呼び出しされて出て行った後。
今日の弁当は山盛りだったから腹が苦しくて食休みも兼ねて外をぼんやり見ている時だった。

慌ただしく教室のドアが開き、一人の男子が入って言った言葉。


「達輝が、転校するんだってよ!」
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