忘れないよ 男主
□●忘れられるはずがないD
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ピンポーン
「ふわ?」
誰だ…朝早くに…。
目覚ましを見る。
んー。まだ起きる時間じゃない。
目をこすりながら玄関を開ける。
「ふぁーい」
「晴凪先輩!迎えにきました!」
「おはよー。日向くん。今日出かける約束してたかなぁ。ふわぁ…」
玄関を開けると、そこには日向くんがいて、俺は大きくあくびをした。
「はい!ジャージに着替えてきてください!」
「そっかぁ。待っててー」
****************
「やられた…」
ただいま俺は、バレー部員と同じく移動のバスの中。
なぜ、俺がココにいるかというと…
先ほどまで寝ていて、目が覚めると、目の前には影山の顔。
ビックリして慌てて謝ったけど、
あれ?何で影山がいるんだ?
てか、ここどこ?
ってなって、辺りを見渡すと、ニヤニヤしたバレー部員。
「ほんとに、晴凪は朝弱いんだな。影山情報でココまでうまく行くとは。でかしたぞ影山」
「うす」
「へ?え?」
状況を把握してない俺を見て、満足げな澤村さんと影山。
「晴凪さんは、起き抜けはかなりボンヤリしてることが多くて、言うこと聞いてくれるんっす」
「…」
まじか。影山。
俺ってそうなのか。
「で、俺が早起きするから、朝の走り込みの途中に寄ることを任命されたわけです!」
日向くんが任務終えました!と言わんばかりにこちらも満足そう。
…というワケだそうで。
「今日は音駒戦だからよ。連れて行こうって話になったんだ」
助手席に烏飼コーチ。
「本当は合宿中から希望だったんですけどね」
運転席には武田先生。
「…俺が逃げ回りましたからね。GW中、部活参加しなかったお陰で勉強はかどりましたよ」
「気分転換にいいだろ。GWの最終日位」
「…見学させていただきます」
コーチの言葉と今の状況を見て俺は今日の事だけ観念した。
俺の手には、寝ぼけたなかで持ってきた学校鞄もあり、その中には携帯、財布、鍵、参考書が入っていて参考書をペラペラめくる。
…酔うからやめとこ。