小説(長編

□1話
1ページ/6ページ

ミーンミーンミーンミーン


あっつい。夏休みに入ってクーラーが壊れるって、どーゆーことだよ。まぁ、一人で過ごせるし、やっぱ休みっていい

ピ〜ンポ〜ン

はずだった。まぁ、誰が来てるかはだいたい予想はつくけど・・・
そんな事を思いながら玄関にむかい、のぞき穴から、誰が来たかを確認する・・・やっぱりアイツだった。
ため息をつきながら玄関を開ける


玲「あ、やっと出た」

羅「なんだよ。せっかくの休みなのに・・・」

玲「私だって、好きで来た訳じゃないよ。」

羅「なにかあったの?」

玲「なんか珠理奈が男の子連れて友達待つ間家に入れるって。」

羅「だからって、ここはお前の家じゃないんだからな。ったく」

玲「いいじゃん。」

羅「どうせダメって言ってもあがるんだろ。」

玲「おじゃましま〜す」

羅「・・・」


まだ、入っていいとか言ってないけどな・・・
コイツがこうしてここに来るのは昔から。親や、兄弟と喧嘩したときとか、なにか悩んだとき、小さい時なんて、怖いテレビをみて、寝られないなんて言って来た時もあった。まぁ、うちの親はいつも仕事仕事で朝に帰るのが多い。悪い時は泊まり込みなんてこともしばしば。だから、ご飯も隣のアイツの家で食べたり、お泊まりも多かった。まぁ、中学入って身の回りの事は自分でできるようになったから、玲奈の家に行く事は少なくなった。そのかわり、玲奈がよく来るようになった。玲奈の親も「お隣さんだったら、大丈夫ね」なんて言っちゃってる。


玲「何玄関で立ってるの?」

羅「なんもねーよ。で、ご飯は?」

玲「羅喜の食べる!」

羅「ちゃんとおばさんには言ったのか?」

玲「うん。」

羅「わかった(いくら昔からの馴染みだからって、泊まらせすぎだっておばさん・・・)」

玲「暑〜い・・・」


いつのまにかテレビの前のソファーに座って自分の家から持ってきたであろう楽しくないアニメのDVDを見始めた。俺がドラマ見てたのに・・・


羅「あー、クーラー壊れたんだよ。確かそろそろ修理屋が来る予定。」

玲「え!?クーラー壊れちゃったの?でも、夜までにはクーラー治ってるんでしょ?」

羅「まぁ・・・まさかお前・・・」

玲「え、お泊まりって言わなかったっけ?」

羅「言ってねーよ!ダメだからな!絶対にダメ!」

玲「なんでよ〜。いいじゃん別に!」

羅「なにがいいじゃんだよ!夜は静かに寝たいんだよ!!」

玲「別に騒ぐわけじゃないし。」

羅「だって、夜前借りたホラー観る予定だけど?」

玲「え・・・ヤダ!」

羅「なにがヤダ!だよ!俺の家なんだから何観ようが勝手だろ!」

玲「お願い羅喜!今日はラプンツェルでも見ようよ!ね!」

羅「・・・はぁ〜。もう勝手にしろ。どーせホラーみてたらお前の叫び声がうるさくて寝れやしない。」

玲「やったー!!羅喜優しい〜!」


はぁ、いつもこうだ。勝手に家に来て、勝手に泊まるって言って、調子が狂うったらありゃしない・・・


羅「で、何食べたい?」

玲「う〜んとねぇ、オムライス!」

羅「はいはい」


まだ4時前なのに買い物に行かなきゃなんねぇ。


羅「じゃ、買い物行くから修理屋来たら金渡しとけよ!ここに置いとくから!」

玲「え〜私も行く!」

羅「お前な〜。珠理奈みたいにワガママ言うなよ。留守番くらいできんだろ。」

玲「・・・わかったよ。」シュン


はぁ〜・・・またそうやって暗くなる。なんだよ俺が悪いのかよ。・・・しょ〜がないな〜。


羅「・・・メロンパン買うから大人しく待っとけよ。」


そう言うと玲奈はパァっと笑顔でこっちを見てくる


玲「うん!待ってる!行ってらっしゃ〜い!」


つくづく俺はこいつに甘いと思う・・・


そんな事を思いながらマイバックを持って外に出た
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ