小説(長編
□1話
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ミーンミーンミーンミーン
あっつい。夏休みに入ってクーラーが壊れるって、どーゆーことだよ。まぁ、一人で過ごせるし、やっぱ休みっていい
ピ〜ンポ〜ン
はずだった。まぁ、誰が来てるかはだいたい予想はつくけど・・・
そんな事を思いながら玄関にむかい、のぞき穴から、誰が来たかを確認する・・・やっぱりアイツだった。
ため息をつきながら玄関を開ける
玲「あ、やっと出た」
羅「なんだよ。せっかくの休みなのに・・・」
玲「私だって、好きで来た訳じゃないよ。」
羅「なにかあったの?」
玲「なんか珠理奈が男の子連れて友達待つ間家に入れるって。」
羅「だからって、ここはお前の家じゃないんだからな。ったく」
玲「いいじゃん。」
羅「どうせダメって言ってもあがるんだろ。」
玲「おじゃましま〜す」
羅「・・・」
まだ、入っていいとか言ってないけどな・・・
コイツがこうしてここに来るのは昔から。親や、兄弟と喧嘩したときとか、なにか悩んだとき、小さい時なんて、怖いテレビをみて、寝られないなんて言って来た時もあった。まぁ、うちの親はいつも仕事仕事で朝に帰るのが多い。悪い時は泊まり込みなんてこともしばしば。だから、ご飯も隣のアイツの家で食べたり、お泊まりも多かった。まぁ、中学入って身の回りの事は自分でできるようになったから、玲奈の家に行く事は少なくなった。そのかわり、玲奈がよく来るようになった。玲奈の親も「お隣さんだったら、大丈夫ね」なんて言っちゃってる。
玲「何玄関で立ってるの?」
羅「なんもねーよ。で、ご飯は?」
玲「羅喜の食べる!」
羅「ちゃんとおばさんには言ったのか?」
玲「うん。」
羅「わかった(いくら昔からの馴染みだからって、泊まらせすぎだっておばさん・・・)」
玲「暑〜い・・・」
いつのまにかテレビの前のソファーに座って自分の家から持ってきたであろう楽しくないアニメのDVDを見始めた。俺がドラマ見てたのに・・・
羅「あー、クーラー壊れたんだよ。確かそろそろ修理屋が来る予定。」
玲「え!?クーラー壊れちゃったの?でも、夜までにはクーラー治ってるんでしょ?」
羅「まぁ・・・まさかお前・・・」
玲「え、お泊まりって言わなかったっけ?」
羅「言ってねーよ!ダメだからな!絶対にダメ!」
玲「なんでよ〜。いいじゃん別に!」
羅「なにがいいじゃんだよ!夜は静かに寝たいんだよ!!」
玲「別に騒ぐわけじゃないし。」
羅「だって、夜前借りたホラー観る予定だけど?」
玲「え・・・ヤダ!」
羅「なにがヤダ!だよ!俺の家なんだから何観ようが勝手だろ!」
玲「お願い羅喜!今日はラプンツェルでも見ようよ!ね!」
羅「・・・はぁ〜。もう勝手にしろ。どーせホラーみてたらお前の叫び声がうるさくて寝れやしない。」
玲「やったー!!羅喜優しい〜!」
はぁ、いつもこうだ。勝手に家に来て、勝手に泊まるって言って、調子が狂うったらありゃしない・・・
羅「で、何食べたい?」
玲「う〜んとねぇ、オムライス!」
羅「はいはい」
まだ4時前なのに買い物に行かなきゃなんねぇ。
羅「じゃ、買い物行くから修理屋来たら金渡しとけよ!ここに置いとくから!」
玲「え〜私も行く!」
羅「お前な〜。珠理奈みたいにワガママ言うなよ。留守番くらいできんだろ。」
玲「・・・わかったよ。」シュン
はぁ〜・・・またそうやって暗くなる。なんだよ俺が悪いのかよ。・・・しょ〜がないな〜。
羅「・・・メロンパン買うから大人しく待っとけよ。」
そう言うと玲奈はパァっと笑顔でこっちを見てくる
玲「うん!待ってる!行ってらっしゃ〜い!」
つくづく俺はこいつに甘いと思う・・・
そんな事を思いながらマイバックを持って外に出た