オリジナル

□未定。
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「なぁ」

俺にそういったのは同じクラスの不良グループのトップ佐々波友樹(さざなみともき)だ。…で、俺の名前は橘霧兎。


こいつは、実際ゆうといい不良らしい。
要するに、皆に好かれてる。

逆に俺の方が空気と化している。

・・・別に悲しくもなんとも無いんだけど。

「何のよう?」

いきなりVIPな奴が俺に話しかけてきて若干…いや、相当動揺したが表に出ないように話しかける。

「俺に勉強教えてくれ!」

「嫌だ」

即答。だって、嫌なもんは嫌だしさ。

目立つの嫌いなんだよね。だが、こいつも、全くへこたれない

「そう言わずに教えてくれよなー」

「い・や!」

「教えて」

「・・・」

何かもうなにも言う気力が…。
毎日休み時間や昼休みに俺の後ウロチョロしやがって。

最初は無視を決め込んでたけどあまりにもうるさすぎたため、俺の方が諦めてこいつに話しかけた。

「なぁ、何でお前そんなに教えてほしいの?」

「俺さ、今度のテスト赤点だったら留年なんだよね♪」

「・・・」

いやいや!なんだよね♪じゃあねぇだろ!呆れた。こんなやつ勝手に留年しちまえ。

「声に出てる」

「えっ」

ものすごくうなだれている、佐々波の姿を見て少し笑ってしまう。全然、いいやつじゃん。

「なぁ、お前本当に不良?」

そう言うと目をパチパチさせ深々と佐々波はため息をついた。

「俺、不良とかじゃないんだけど」

「で、でもこの前俺金髪で歩いてんの見たぞ!?・・・ゴツい奴つれて。」

「それは、多分俺の弟!」

「はぁ!?」

こいつ、弟いたんだ。全然知らなかった。

「俺も中学生の時はやってたけどさ。今は、売られたケンカを買うことだけにしてる(笑)」

「それって、やっぱ不良じゃん」

ケンカをうるのと仕掛けるのは違うの!!そう言いながら佐々波は頬を膨らませた。


その姿が可愛いとか思った俺は、終
わってる……。

「俺だって、普通に友達欲しいよ。でもさ皆が遠ざかっていくからしょうがないじゃん」

「・・・お前よくつるんでるやついるじゃん」


「あいつらは友達とはちょっと違う」

こいつのいっている意味がわからなくて首をかしげると、

「だからっ!あいつらは、俺の外しか見ないって言うかなんと言うか…」

最後らへんはもごもごと喋っていて聞き取れなかったが、要するに友達がほしいと言うことか。

「お前は、友達が欲しいんだろ?自分の内側を知ってくれる」

そう言うと友樹は少し顔を赤くしながらこくんと頷いた。

「…お前ならなってくれそうだと思ったんだ。いつも一人で勉強してるし」

いや、べつにしたくてしてる訳じゃないんだけど?と言おうともったがやめた。友樹の顔が余りにも情けなかったから。

はぁ…俺も面倒な奴に引っ掛かったな。

「いいよ教えてやる」

俺がそれだけ言うとなにか理解してないようだからもう一回言う。

「だから勉強教えて欲しいんだろ?」

そう言うとだんだんあいつの目が輝いていくのが分かる。

「ほんとに?ほんとにいいの!?」

しつこく聞いてくる友樹の頭にチョップを食らわし、

「良いっていってんだろ」

「あ、ありがとっ」

「っ…」

不意打ちのありがとうを食らい不覚にもときめいてしまう。

「べつに勉強教えるだけだから、友達になった訳じゃない」

そう言うとあからさまにガッカリしている。

「折角なれたと思ったのに…」

「じゃあ、止めるか?」

「っやめない!!これから、友達になってみせる」

そういきごむ友樹。恥ずかしい言葉を言ったことにきづかないのか、ニヘラァと何とも子供っぽい笑顔でこっちを見ないでくれ…

少し顔が赤くなったのをばれないように俺は、とりあえず弁当のご飯を掻きこんだ。


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