たった1ミリが遠くて

□もう恋は始まっていた
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『好きだ』って思った時にはもう既に遅いのが、私。

昔っから自分は勝ち気ではっきりしたほうだと思ってた。

………そう、思ってただけ。

いつも思ってるだけで、いざ行動にうつすことができない。
だから、幼なじみのあの子にはいつも敵わない。
この気持ちは私が絶対先に伝えたい、と胸張ってたけど……結局、また先を越された。










『───…夕くん、私ね、』













ああ、また……まただ。
二人は私を置いてきぼりにして、遠ざかっていくの。

勇気がない私が悪いの。
言葉にできない私が駄目なの。

あと一歩が踏み出せない、臆病者の私。

胸が、痛い。気持ち悪い。
全部吐き出せたら、どんなに幸せだろう。












『───もへじ!』



きみが私を呼ぶときだけは
世界が輝いて見えて、嬉しかった

好きの一言が言えないまま
彼からも、あの子からも、目を背けた







崩れていく世界の中で、
きみの手に触れた







病じゃない、何かが、胸を痛めた……
 

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