短いお話

□ソーダ味を、はんぶんこ
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部活開始前のマネージャーお二人。


『──潔子さん』

『…もへじ?』

『私、もうあいつに我慢の限界なんで、そろそろ…』

『うん、私なら大丈夫よ。…行ってらっしゃい。』

『では、行って参ります。潔子さん、愛してます。この気持ちはあいつなんかに負けません。』

『ふふ…はいはい、わかってるわ。私もよ?───頑張れ。』











────部活終了後の体育館。


「き・よ・こ・さ「夕、」」

いつもよりワントーン低くなったソプラノの声は部活後である体育館の熱気を吹き去るようなオーラと共に、ボールを片付けている清水潔子に近寄ろうと駆け始めた小さな彼、西谷夕を停止させた。おまけにはその隣に彼と同じ属性の馬鹿、田中もいる。
二人はギギギと今にも首がなりそうなスローモーションで後ろを振り返る。
そこには彼らの予感通り、普段は可愛らしいソプラノの声の持ち主が今には持ち合わせない威圧感を放ちながら二人を待ち構えていた。

彼女、へのへのもへじは、西谷夕のガールフレンド。

そして、西谷夕はボーイフレンド。

二人は部活内、学校内でも外でも公認のちょっとした有名人だ。
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