短いお話

□春、ふわり、キミと
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────高校に入学して約一ヶ月が経った今日、危機が迫る。


「もへじ」

「!…潔子さん?」

廊下を歩いていたところ同じ部活のマネージャーである清水潔子さんに声をかけられ立ち止まった。

「丁度あなたのこと探していたの。これ、日向と影山に渡してくれるかしら?」

次の練習試合の詳細、と言って潔子さんから手渡された二枚の紙。
それを手に、はっとして、う、と息を詰まらせる。

「…影山に任せないで直接渡しなさいよ?───日向に。」

ギクっと硬直する私を見て潔子さんははぁとため息をつくと綺麗に踵を返して教室へ帰っていった。

「………う、ど、どうしよう。今は翔ちゃんに会えないのにっ…!」





















彼、日向翔陽は、只今発情期なのだ。
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