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□界王神
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ああ、界王神さま。私に一体どうしろとおっしゃるのですか。貴方さまを想うこの気持ちに、まさか気づいていないわけではありませんよね。そうよ、だって界王神さまは人の心を読むことが出来るのですから、貴方さまの側にいれたときにだって、私の声はだだ漏れだったのでしょう。下界のなんの取り柄もないちっぽけな私が、界王神さまのようなお偉い方とお話しすることが出来ることですら、奇跡以外の何物でもないのに、これ以上を望んでしまう私は強欲者です。貴方さまが、一度、たった一度でも、私を強く拒否してくださったのなら、きっと私は泣く泣く貴方さまを忘れられたでしょう。それなのに、貴方さまはいつまでたってもそうしては下さらないのですね。

「……私は、貴女を傷つけたいわけではありません。貴女と過ごすこの時間が楽しいと思っています」

ほら、またそうやって。界王神さまはずるいです。私の気持ちに気付いていながら、なんにも知らないふりをして、何事もなかったかのように振舞われる。私が何度、枕を濡らしたとお思いですか。私が何度、心を痛めたとお思いですか。もう、知らないふりをするのは、私の想いを無視するのは、やめてください。もし私の想いに応えられないのであれば、私に一言、言ってください。そうすれば、きっと私は、

「やめてください‼︎何故貴女はそんなことを思うのですか‼︎」

……界王神さまは、とてもお優しい。お優しくて、酷いです。だからこそ好きで、だからこそ嫌いです。寂しいです。私の想いは知れてるはずなのに、それを最初からなかったのように接してくることが。どうして、どうしてですか。

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