ぷよぷよ

□りすくませんぱい
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「どうしましょう、りすせんぱい〜…」

全ての授業を終えて、何時ものように物理部の部室で実験をしていると、後輩の名無しさんくんから声をかけられる。何か悩みでもあるのかい、と言うと、あるから困ってるんです〜と、弱気な彼女の声が返ってきた。

「みてくださいよコレ!」

そう言って見せられたのはスマートフォンのアプリの画面。おそらく彼女のクラスメイトであろう人物とのやりとりが表示されていた。

「これの、何が問題なんだね?」

「最後の方見てくださいよお!明日、会わないかって、言われたんですうう‼︎」

言われたとおり見てみると、確かに、会いたいという言葉。別に会えばよいのではというと、相手は男子なんです‼︎どうしたらいいかわからないんです‼︎と涙目になる彼女。その表情に見惚れてたのは秘密にしておこう。

「なるほど、名無しさんくんは会うかどうか迷っているんだね」

「そう‼︎そうなんです‼︎他に誰かくるみたいなことも書かれてないし…‼︎」

「じゃあ、行かなければいい」

慌てる彼女は、私の一言でピタリとも動かなくなった。私の可愛い後輩と会おうとするなんて、100年はやい。


「あの、せんぱい……それって……どういう……?」

がちがちになりながらも、彼女は言葉を発する。

どうすれば、彼女はとどまってくれるだろうか。考えた挙句、思いついたのは恥ずかしくて言うことがはばかれる台詞。


「私が、君を行かせたくないだけだよ」

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