An opinion about consultant detective

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私の日常は変わった。

「シャーロック?寝たの?」

朝一番に言うセリフ。起きたの?じゃないところが少し皮肉ね。

「あぁ、おはよう。アイルはよく眠れたみたいだね。」

いつもこんな風にはぐらかされてしまう。彼、シャーロックと暮らしだしてからとても体力を使うことが増えた。買い物や洗濯は女中にある程度任せているけどまかないきれない分は私がやってる。それにシャーロックのワガママを聞くのはいつも私の仕事。

「ふぅ。」

「どうやらお客様だ。

これは意外だね。アイルのお待ちかねの人物だよ。準備したまえ。」

「え?」

シャーロックはひらりと作業机からソファーへと飛び移った。私は訳がわからずほうけていた。するとノック音の後に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「ホームズ、いるのか?」

「まぁっ!」

私は一目散にドアを開けた。なかなか会うことのなかったワトソン先生だわ。

「おや、なぜアイルがここに?」

「詳しいことは後ほど説明いたしますわ。さあ、中へお入りくださいな。シャーロックは起きてますよ。正確に言うと寝ていません。」

笑い混じりに伝えると、ワトソン先生はやはりかと苦笑いを私によこした。そして彼の定位置である、シャーロックの向かいのソファーに腰掛けた。

「やぁ、ワトソン。診療所は上手くいっているみたいだね。女中のランクも上がったみたいだ。」

「シャーロックには敵わない。」

久々の再会を果たした友人たちは楽しそうに話し込んでいる。私はお茶と昨日作ったクッキーを共に出した。

「ありがとう。」

「いえ。」

しばらくお菓子とお茶で談笑した後、思い出したようにワトソン先生はおっしゃった。

「そういえば、どうしてアイルがこの家に?」

「あぁ....それは話すと長くなるのですが...。」

私は苦笑いを浮かべながら近くの椅子に座った。シャーロックはこちらを見て静かに笑った。私の経験上、彼のあの笑顔はなにか危険なことが起こるサイン。大抵はジョークだから気にしないけど、彼のジョークはジョークの域を超えているので心臓に悪い。

「なに、大したことはないさ。彼女がここに住みたい、と言い出したので住まわせてるだけさ。」

まるで私には話させないと言ったようにシャーロックは言った。

「いくら幼なじみといえども、結婚する前の男女が同居だなんてあまり良くないと私は思うけどね。」

ワトソン先生は心配そうに私を見て、シャーロックに言った。また彼はサインを出している。なんだか嫌な予感がするのに私は止めずに自分で淹れたお茶を飲む。

「婚約しているなら問題はないだろう?」

笑みをたたえてそういった彼にワトソン先生は開いた口が塞がらなかった。私はこの悪魔の仕業に頭を抱えた。

....誤解を解くのに何時間かかるかしら。

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