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□僕らはひとつ…?
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「ウーファン…」
いつまで経っても彼は
戻ってこなかった。
皆はもう放っておけと
呆れ気味にため息をついていた。
僕たちは仲間なのに
どうしてそんな態度を取るのか
僕には理解できなかった。
確かにウーファンは自分勝手かもしれない。
だけどこれまで一緒に頑張ってきて
何かを変えようとしているメンバーを
応援しないのは僕的には理解しがたい。
玄関でただずっとドアを見つめる。
そっと後ろからイシンが来て
僕にホットミルクとタオルケットを渡してくれた。
イシンはいつも何も言わない。
だけど僕と同じ思いのはずだ。
「イシンありがと」
ホットミルクを啜ると
『あんま遅くならないようにね』
と、僕の頭を撫でた。
膝を抱えながらまたドアを見つめる。
次第に重くなる瞼を必死に開けて
ウーファンの帰り間を待つ。
−ガチャ
『…あれ、帰ってきたのかな……』
「ルハン、こんなとこに居たら風邪引くぞ」
『お前のせいじゃん…』
「仕方ないな」
急に体がふわりと浮いて
僕の自室のドアを開ける音。
そして優しくベッドに降ろしてくれた。
「ウーファン…」
「なんだ」
「いつになったらちゃんと帰ってくるの…?」
「……さあな」
僕の頭を撫でて
また出て行こうとする
大きな背中に抱き着いた。
「……もう離れないで…」
「わかった」
そう言ってまた僕から離れた。
朝起きるといつものように
窓から日が差していた。
「ウーファン…」
そっと腕に違和感を覚えた。
キラキラと輝くラブリング。
僕の付けてるリングと同じもの。
これは2つなければ外すことはできない。
昨夜ウーファンは自分のを外して
僕の手首に付けたというのか。
「ウーファン…」
僕らはひとつ…じゃなかったの?
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