LONG BOOK
□人魚的眼泪X
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Luhan side
「実は私、人の心が読めるんです」
その言葉に驚いた。
が、すぐに納得できた。
僕が言葉を発すなくとも
自然に会話をしていたセフン。
「天性って訳じゃないんですけど…この仕事やってるうちに身についたというか…」
『すごい…』
「でもいい事ばかりじゃないんです」
頭を掻きながら眉を下げ
ふにゃと笑うセフン。
人の心が読めるということは
人の嫌な汚い部分も読めてしまうということだろうか。
そう思うと、何だか可哀想になってきて
セフンを抱き締めた。
「そんな無防備に期待させることしちゃいけないんですよ…」
セフンが僕の頬を撫でた。
セフンの目を見ると
なんだか哀しそうだった。
セフンの手が僕の顎を掴んで
僕の唇に口付けた。
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