長編

□リア充爆発しろ
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モテない。まあそれだけの事。俺だって前まではそんなに気にしやしなかった。だが今は違う。
俺が悩む要因にはある二人の人間が大きく関わっている

「よっ!あーさーや!」
バシッ! 背中に走る突然の痛み。
まちがいない・・・こいつは
「愛城・・・お前朝から元気だな、ついていけね。」
おれの背中を叩いたこいつこそ、二人のうちの一人愛城翔だ。
「どうしたんだよ!辛気臭い顔してたら幸せがにげるんだぜ?!」
はぁ。と俺がため息をつくと心配そうに俺を見る愛城。

愛城は高2の時からの俺のダチ
明るく元気でリーダーシップのとれるいい奴だ

……故にモテる、べらぼうモテる

愛城は男の俺から見ても顔は整っているし性格もいい
当然といえば当然のことだ

また当然のことだが俺はホモではない←ココ重要



―――なぜこいつが俺の悩みの種となりうるのか

それは…………





「キャー!!やだやだ愛城くーーーん!」

あ、


「あーーー!しょーたん一緒に行こー!」

ああ、


「ずるーーい!あたしもーー」


来た


来た来た






きたきたきたきた


ktkr……



女子達の大群


群がられる愛城


「あ?牧田いたの?邪魔ー」


女子の鞄にぶちあたる俺

ぶちあてた事どころか俺の存在にさえ気づかない女子

「いーなー
牧田いつも愛城くんといっしょじゃん、もしかしてホモ?」


あえて言おう!
俺はホモではない



ほら……愛城だって嫌そうな顔して……

「そーなの!?」



おい……


間に受けるな阿呆








こういったことは毎朝の恒例行事であって俺を憂鬱の世界へと浸らせてくれる

俺はいつまでたっても
こいつ……愛城の影だ


僕は影だ……おっとこれはダメか



モテないことが嫌なんじゃない


モテるやつの隣にいるとどうしても比べてしまう

時々ひがむことだってある

そしてそれに加えモテるのに彼女の一人も作らない愛城と彼女の一人さえ作れない俺が歩いているだけで衆道関係とさえ誤認(からかいだろうけど)されるしまつ……


そして重要なことがもう一つある


愛城は彼女はいない
だが、つい最近好きな子ができたらしい

あの愛城だ
きっと相手の女子なんかこいつ の愛想笑い1つでイチコロだろう

そう、おれは大切な非リア友達をもうすぐ失ってしまうのだ

そして周りからは愛城に捨てられた可哀想なホモとして見られる……







この平々凡々の俺にとってこれは大きな問題だ


俺だって男だ

卒業前に一花咲かせたい


恋したい
彼女欲しい
できたら可愛い子!!
デートしたい甘やかしたい送り迎えしたげたいチャリの後ろに乗っけたい……
うああああああああああ!



俺だって三次元でときメモりたいんだよ!!!





「あの……どったの?さっきから……スゲェニヤけて……こええよ」


俺は悩みの種の友人によって現実の世界に引き戻された
そんなにひどい顔だったのだろうか
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