夏企画!階段小話
□プロローグ
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草木も眠る午前二時―――
深い闇の中
青年たちは自らの通う高校の一室を拝借してある催しを行わんとしていた
深夜の学校、親に黙ってでて来た背徳感、もし見回りにでも発見されたら、そういったものが彼らの恐怖を余計に煽る
また、隣にいる者や室内の様子を伺うにはゆらゆらゆらゆらと風が吹けばもう消えてしまいそうな百本の火がともった蝋燭の灯りを頼りにしなければならない
それらは彼らの影を壁に映し出し、まるで彼らを取り囲むかのような黒い人間の輪を作り出していた
彼らの中の一人が蝋燭を手に取り口を開いた
「はじめようか」