HelloGoodbye番外

□鬼さん此方 手の鳴る方へ
2ページ/3ページ




「おーにさーん こっちらッ!手ーのなーる方へ♪」



その言葉は、まるで俺に向けて言われているようで。

振り向くと、ヌマクローを連れた肩までの黒髪の女子が手を構えてニィと笑っていた。
その隣には、ケロマツを連れたもうひとりのポニーテールの女子。


……ヌマクローを連れた小学生の噂は聞いたことがある。「恐ろしくバトルが強い」と。

そんな子が、いったい自分に何のようだ。

女子は、ニパッと笑った。


「元親君だっけか?一緒に遊ぼうぜ!」


ズイッと目の前に差し出された手と、その女子を交互に見る。

……何言ってんだ、コイツ。


「なぁに呆けた面してんだァおい」

「ふがっ!?」


そう言われたと思ったら、急に差し出された手が鼻を摘まむ。

息!息が!!


「なはは!変な顔!!」

「ぽんちゃん、ぽんちゃん。息できてないよ」

「おぅふ…何故口呼吸というものをしないのだ元親君」


パッと放された鼻を押さえながら、自分よりも若干背の高いその女子に向かって怒鳴る。


「いきなり何すんだテメェ!」

「あらコワイ。まるで夏休み前の元親君とは別人だわオホホホ。
なんて冗談は置いといて、理由は…うん。湿気た面してっから元気出してやろうかと」

「……別に湿気てなんかいねぇよ」

「はいはい問答無用で遊びに行くよー」

「も、もんど…?って、おい、離せ!!」


ガッシリと捕まれた腕。俺のランドセルはポニーテールの女子が抱えていた。

って、俺が行くことは決定なのかよ!!

そんなことを思いながら、半ば引きずられるように二人に連れてこられたのは、学園の裏山を少し抜けた場所。



「どぉだァ!俺達の秘密の場所!」




*
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ