HelloGoodbye番外

□節分!
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「鬼はァァァ外ォォォ!!!」


「いっでえええええ!!!」



婆娑羅学園のとある一角。

普段からそこに屯している長宗我部元親に向かって勢い良く豆が撒かれた。
普段からあらわになっている肩やら腕やらに豆が当たった元親は腕をさすりながら豆の飛んできた方向を睨む。


「テッメェら、何しやがる!!」


「だって2月3日は節分だし」

「節分と言ったら豆まきだし」

「豆まきと言ったら鬼でござろう」

「んで鬼と言ったらテメェだろ長宗我部」


自分たちは何も悪いことはしていない。言葉にせずとも、目は口ほどに物を言う。全く悪びれた様子もない四人の瞳に元親はため息をついた。


「鬼は認めるが、豆ぶつけられるのはいてぇから止めろ」

「痛くしなけりゃ意味ねーじゃん」

「せめて手加減しろよ」

「無理かな☆」


空の清々しいまでの否定の言葉にビシリと青筋を浮かべた元親。
そんな彼の背後に「おい」と一言、声がかかる。「あ゛ぁ?」と若干キレ気味に元親が振り返ればビッシィィ!とその顔面に大量の落花生(殻付き)が投げつけられた。
「いてぇぇぇ」と顔面を抑えながら痛みに悶える元親。その向こう側にいた見覚えのある顔に紫乃と幸村が「あ」と口をあけた。


「元就殿」

「うっわー落花生投げるとか容赦ないわー」

「鬼は全力で退治するものであろう」

「mistakeなことは言ってねーな」


政宗が苦笑いをすれば隣にいた空が同意するように頷いた。
確かに、鬼は全力で退治しなければならない。
が、元就の鬼退治は桃太郎もビックリな程とても強力で、策略家な元就からしてみれば有り得ないほどに単直なものだった。

顔面についた落花生の欠片や粉を片手で拭い、先程より青筋が浮かんでいる顔で元就を見る元親。


「テメェ、オクラ野郎…!いい度胸じゃねーかコラァ!」


そう言いながら、その胸ぐらを掴みあげようと腕を上げた瞬間、元就はモンスターボールをおもむろに取り出しスイッチを押した。


「キマワリ、"タネマシンガン"ぞ」

『きまっ!』


飛び出したキマワリの"タネマシンガン"をモロに喰らった元親。元就はその攻撃に合わせながら落花生を投げつけている。


キマワリの攻撃は止むことがない。
その"タネマシンガン"が全て元親に命中するなどという奇跡は簡単に起こるわけもなく、当たらなかった"タネマシンガン"は必然的に元親の後ろにいた四人に向かってくるわけで。

それに気がついた空がハッとして声をあげる。


「待ってナリ様それ私達にも被害が!」

「知らぬ」


一言だけそう返した元就。
紫乃が「ひっでえ!」と文句を言った瞬間、"タネマシンガン"が彼女を命中。
痛みに叫び声をあげ、元就とキマワリを睨みモンスターボールを取り出した。


「クッソ負けるかラグラージ"マッドショット"で相殺したれ!」

『らーぐ!』

「!?stop、mamu!それはオレ達にもdamageが!!」


そう言った政宗の顔面に"マッドショット"が命中。「いってえ!!」と政宗は叫ぶ。
チートの攻撃を真正面から顔面にモロに喰らったのに「いってえ!!」程度で済むことができるのは恐らく彼らがバサラな戦国武将だったからだろう。

「ああ…長宗我部殿が種と泥まみれに…」「さぞかし綺麗な花が咲くだろうね」ゲッコウガの"まもる"という安全圏で会話しているのは、空と幸村である。




「いてぇ、いてぇって!!死ぬってこれ以上は死ぬって!!」

「散れ、鬼め!!」

「元親、耐えろ!ナリの攻撃が止むまで耐えるんだ!じゃないとコッチも止めれない!」


「あーこれは元親死亡フラグだね」


空がそう呟いた瞬間、ひときわ大きな泥と種が彼の顔面にぶち当たった。




鬼は外!!

(次は福を呼びに行くぞ!!)



→テニプリのとこで福探し

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