HelloGoodbye番外

□右目の我慢記録
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イラスト「七夕」とリンクしています。
イラストを先に見た方が分かりやすいかと。





「あははははははは!!竜の旦那、マジさいっこー!!」


「うっせー猿!!!」



珍しく腹を抱えて笑い転げる猿飛は、かれこれ五分近く笑い続けている。


猿飛が笑い転げる原因は、己の主にあるのだが……この俺でも、真顔を維持するのが難しい姿を今、政宗様はなさっている。

七夕ということもあり、こういうイベントには目がねぇ前田の風来坊と紫乃、それから空が「七夕コスプレしようぜ」と言い出したことが始まりだ。

コスプレと言っても、服は彦星と織姫のものしかなく、順番にくじ引きで着回すことになったのだが………何というべきか、恐らく政宗様はそのときは不運だったのだろう。


織姫の格好を一番最初になさることになってしまった。


それから猿飛が笑い転げ、政宗様はすこぶる不機嫌なのである。



「まーまー、似合うよ政姫ちゃん!」

「前田ァ……よっぽど俺とbattleしてぇみてーだな」

「じ、冗談だってー!」

「チッ、おい小十郎!!」

「小十郎なら政姫ちゃんがツボったらしくてダウンしてまーす」


余計なこと言うんじゃねぇ。


彦星の格好をした紫乃の後頭部に野球ボールを投げる。
残念ながら結い髪にボールの衝撃は吸収されたらしく、紫乃にたいしたダメージはない。


「小十郎ォ……!」

「も、申し訳…ございませぬ…!」


怒り声とも涙声とも判断つかぬ震え声の主に、深々と頭を下げる。
今、顔を上げれば俺は盛大に吹き出すだろう。


「片倉殿をここまで追い詰めるとは……政宗殿、なかなかやるでござるな!」



真田が素直な意見を政宗様に投げ掛ける。

しかし、それが政宗様にとっては終止符と言わんばかりの大打撃だったらしく、ヨロヨロと紫乃の背中に泣きついた。


「もうただの彦星と織姫じゃん」



ぶはっ




口の中の空気が漏れると同時に、政宗様の肩が大きく揺れた。



おそらく今日の部活はメニューが6倍になっているだろう。




右目の我慢記録

(まぁ、主に対する無礼を考えれば当然かもしれねぇがな)




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