3

□予測不能カップル
3ページ/4ページ


「並盛の風紀を乱す事は許さないよ」
「おや、僕がいつ君の愛する並盛を乱しました?ボンゴレ狩りの一件以来、並盛に手を出してはいない筈ですが」

(…やっぱり風紀を乱したとかそういう話っすね)
(でもおかしいよ。あの雲雀さんが骸を、戦いじゃなくて言葉で説き伏せようなんて)

睨み殺してしまうんじゃないかってくらいに近い位置で睨み合ってる2人。
戦いは終った筈なのに、一触即発の空気。

「何度も言ってるでしょ。こんな短いスカート穿いて外を歩くな」

(…ん?)

「君に僕の服装についてまで言及される謂われはありませんよ」
「短いスカートは充分風紀を乱す原因になる。精々膝上10pが限度だよ」

(あ、何だそういう事か)
(ツナ?)
(あぁごめん、何か今の、雲雀さんが妬きもち妬いてるみたいに聞こえちゃってさ)

そんな訳ないのにね、なんて笑った。
直後、オレは目を見開いた。

(ッ……!?)

「君はそんなに他の奴を誘惑したいの」
「ん、…雲雀く、」
「何が哀しくて、君の肌を他の男に見せなきゃならないの」
「…ゃ……ん」

雲雀さんの手が骸の剥き出しの太股を撫でて、そのままスカートの中に入って行く。
骸は顔を真っ赤にして、
それでも抵抗らしい抵抗はしてない。
…え、何、どういう事?

(ちょっ、ぇ、何なのコレ!?)
(ツナ、ちょっと声でかいのなー)
(10代目、落ち着いて下さい!)

何この雰囲気。
さっきまでの殺伐とした空気はどこ行ったんだ。

「雲雀くんっ…」
「僕は怒ってるんだよ」
「ん、…、ぅ…っ」

(!!)
(キス、して、る…!?)
(へー、ヒバリと骸って恋人同士だったのな)
(恋っ…!?)

ちゅ、ちゅ、っていう音が何度も聞こえる。
軽くキスして離れて、またキスして、みたいなのを繰り返してる。
どんどん赤くなる骸の頬を雲雀さんの手が包んで上を向かせて、至近距離で見つめ合って。
…あぁそうか、さっきかなり近い位置で睨み合ってたのは、見つめ合ってたのか。

「そんな格好で草食動物達と居て、僕がどんな気持ちだったか、解らないの」
「そんな格好って…制服、ですけど」
「その制服自体が風紀を乱してるって言ってるの。…話逸らさないで」
「…ごめんなさい」

骸が申し訳なさそうな顔して謝ると、雲雀さんはまた骸にキスをした。
その後見た事ない様な優しい笑顔になって、骸の耳元で何か囁いて。

「………っ…!」
「覚悟してね」
「ぇ、あの、…っここで?」
「声は我慢してね。他の奴等に君のエッチな姿見せたくないから」
「ちょっ…ん、やぁっ」
「やめないよ。怒らせた罰」
「た、助けてボンゴレっ!」
「…他の男の名前呼ぶなんていい度胸だね。もう許さない」
「やぁあんっ」

(……呼ばれてますよ、10代目)
(いやその…確かに呼ばれてるけど…)
(もう骸には守ってくれる奴いたのな。余計なお世話だったなー)

っていうかボンゴレって名前じゃないし。
今更どうでもいいけど。



オレ達は静かに扉を閉めて、静かに階段を降りた。
当初と違う意味で暴走した雲雀さんは本当に止まらなそうだったし、これ以上覗いてたら何か色々精神的に良くなさそうだったから。

「…不思議だね」
「何がっすか?」
「あんなに仲悪そうなのに、好き合ってるなんて。一体いつからなのかな」
「骸が並中に出没する様になってから、とかじゃないっすかね」
「…あぁ、うん…そうっぽいね」

一応男女なのに、まるでその可能性を視野に入れてなかった。
意外性あり過ぎだろあいつら。


「何か精神的にどっと疲れたよー」

「なあ、帰り俺ん家寄ってけよ!夕飯チラシだって親父が言ってたから、一緒に食おうぜ」

「え、良いの?」

「獄寺も一緒にな!」

「10代目が行くなら、お供します!」



決めた。

今日の事は忘れよう。


そんで今後一切あいつらには関わらない様にしよう。










精神的にどっと疲れるから!












fin.

→Next後書き。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ