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□世界でいちばん、よりもっと。
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「…君の“ばか”は破壊力抜群だね…!」

「ぁ、…あ…ッ………!!」


背後に座った君の膝に乗せられ、そのまま下から君を受け入れる。
充分に馴らした後でも、多少の痛みと圧迫感は無くならない。
自身の体重も手伝いより深くくわえ込む状態なら、尚更。

「…っは、…はぁ、は、ぁ、っ」
「苦しい、骸?」
「だいじょ、ぶ、…です…だから…」


動いて。


…聞こえたか聞こえないか、そんなタイミングで開始された律動。
快楽に呑まれびくびくと跳ねる躰を支える手は、再び胸の膨らみへと伸ばされた。
ふたつの手がふたつの膨らみを掴んで、痛いくらいに、優し過ぎて恐いくらいに。

「…あっ、あっ、ぁ…っあぁ、あん」
「骸、…むくろ、痛い?大丈夫?」
「痛くな、…っん、あぅっ、気持ち、い…!」

律動は激しくなる癖に、君は優しいから。

気遣いなんかいらない。

壊して。


君しか目に入らなくなるくらい、



君で僕をいっぱいに――――





「むく、ろ…!」

「ん、っ…―――――!!!」










溢れるくらい、いっぱいに。
















倒れた躰に貼り付く新聞紙を酷く不快に感じながら、


僕の意識は白に塗り潰されていった。
















































「…何の為に新聞紙を敷いたんですか」
「君を抱く為」
「何の為にケープを羽織ったんですか」
「簡易目隠しプレイの為」
「…っ何の為に草壁にスキ鋏を用意させたと思っ」
「無駄だったね」

運良くと言うべきか、僕が溢した白濁は床に敷かれた新聞紙が受け止めた。
まさか最初からこれを狙っていたのか。
呆れて深く息を吐く他ない。

「ね、骸」
「…何ですか」

「髪、伸ばしなよ」

…挙げ句の果てがこれだ。
散々しつこく切れ切れと言っていたのは何だったのか。

「不精は嫌いではなかったんですか?言っておきますが、僕は手入れなどする気はありませんよ」

特に手入れなんてしなくても、今のサラサラヘアーが維持出来ているのは事実。
その事実があるからこそ、わざわざ時間と金を掛けて手入れをする気など更々ない。

「構わないよ、君の髪の手入れは僕がするから。君の髪に触るの、やっぱり凄く好きだから」

再確認。
…なんて言いながら、その笑顔は卑怯。
嫌だなんて言えなくなる。


「…1から10までしてくれると言うなら、考えないでもありません」

「約束するよ。僕が君の髪を並盛一美しくしてあげる」


彼曰く並盛は世界一、即ち並盛一は世界一の更に上。

極上の称号ではないか。





「…約束ですよ」


「うん、約束」












僕の髪が腰まで伸びる頃、






僕達は並盛で一番幸せな“家族”になった。












fin.

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