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□由梛灰音様より。
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相互記念雲骸。

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それはこんな事から始まった。



応接室。
ペンを持ち、書類に目を通しながら、机に向かう。
そんな僕に聞こえてきたのは、規則的で穏やかに呼吸する音。
この室内には僕と骸の二人だけ。
紛れも無くそれは骸のもので。
黒革張りのソファー、肘掛けと背もたれに身体を預ける君は、惰眠を貪っていた。

その様子に無性に苛立って。
乱暴な仕種でペンを置き、立ち上がると骸に歩み寄り、見下すように視線を向けた。


「ねえ骸…」


軽く問い掛けてみるも、やっぱり返事は帰ってこない。


「いい加減にしろ」
「…!っい!!」


骸の髪を乱暴に鷲掴みこちらを向かせると、ぶちぶちと髪が抜ける音がした気がする。
痛みに顔を歪めながら目を開いた君に、少しだけ気分が良くなった。


「おはよう骸」
「っ何するんですかいきなり!」
「挨拶出来ないの?」
「ふざけないで下さい!!」

抜けた骸の髪を絡ませたまま、頭を撫でていた手。その手を骸の荒い怒声と共に振り払われた。


「何なのいきなり」
「それはこちらの台詞です。」
「ふざけてるの?」
「それもこちらの台詞です」
「いい加減にしなよ」
「そっくりそのままお返ししますよ」


骸と始まった言い争い。
距離をあけ、骸が座るソファーに腰を下ろした。
そして再び言い放つ。


「大体何なの?僕が仕事している時に居眠りだなんて。」
「眠って何が悪いんですか。暇だったんです。」
「なら来ないでよ。」
「君が連れて来たんでしょう。」
「そんなの知らないよ。」
「君が朝から僕を引っ張って来たんでしょう。数時間の内に脳細胞が衰えたのではないですか?」
「単細胞生物みたいな奴に言われたくないよ。」
「おやおや、単細胞生物と多細胞生物の見分けもつけられないんですか?可哀相に。」

…ムカつく。

「大体僕は君が淋しがると思って連れて来たんだ!」
「…淋しいだなんて思いませんっ」
「うそ」
「嘘じゃありません!」
「嘘だよ」
「嘘じゃないです!」
「それならさっさと帰りなよ」

「…………」

僕がそう言い放てば、骸は黙ったまま。
骸の言葉を待っていると、不意に服の袖を掴まれた。


「…ひばり、君は…僕がいなくても、淋しくないんですか…?」

俯きながら話す君が無性に可愛くて。
思わず即答してしまった。

「そんなわけないでしょ」
「わっ…!」

掴んでいた手を引っ張って、
強引に自らの脚の間に座らせた。

「僕も淋しいよ。骸がいないと。」
「ひ、ひば…っ」

骸の華奢な身体を抱きしめて耳元で囁けば、面白い位骸の顔や耳は真っ赤になる。
耳に息を吹き掛ければ、ビクッと震えて。
可愛くて可愛くて、なんだか我慢出来なくなってきた。


「だ、大体雲雀君が悪いんですよ!僕を無視して、そのうえ全く構ってくれないから…」
「うん、ごめんね?」
「……どうして君はそんなに素直なんですか…!」
「骸が素直じゃないんだよ」

骸の背に体重をかけると、心地良く押し返される。


「いいんですか雲雀君。仕事しなくても。」
「うん。こうしてたい気分なんだ。」
「!…クフフ、嬉しい限りですっ」

そんな振り返った君に、触れるだけのキスをされた。
それはとても甘いキス。
けどそれでは足りなくて、
深く深く口付けた。



fin.












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由梛灰音様から相互記念として頂いてしまいました、雲骸小説です!
ケンカップルらぶ…(*´∀`*)
そんな勢い良く草のとこ掴んだら骸ハゲちゃいますよ!
ハゲちゃったとしても骸ってきっと可愛いと思うのうへへ(萌)。
読みながらキュン死にしそうでした(@д@)

由梛灰音様、相互有難うございました!
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