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□藤本ゼン様より。
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「クローム、なんだかあの時から僕の身体が変なんです。雲雀君を見るのはもとい、考えるだけでもドキドキするんです。これは一体なんなんです?病気か何かですか?」

「骸様‥‥、それって恋、って言うやつだと思うの。」

「恋、ですか?」

「うん。私も、実際に体験した事がまだないから断定する事は出来ないけど‥。」

(そんな筈はない。だって僕と雲雀君は友達なんですよ?それなのに『友達』の雲雀君に恋だなんて‥)
「‥‥‥。」

「で、でも、間違いかもしれないし‥。今のところは様子を見てみたほうがいいかも‥。」

「そう、ですね‥。やはりクロームに相談して良かったです、ありがとうございます!」

そうと決まれば善は急げ、ですね!

次の日の放課後、骸は雲雀に内緒で並盛中に来ていた。

勿論自分のナカに現れた不思議な感情を確かめる為に。

「‥雲雀君は何処なんでしょうか?‥‥あ、ボンゴレ。」

骸が雲雀を探そうとしてキョロキョロしているとボンゴレこと、沢田綱吉がいた。

綱吉からは骸が見えず綱吉は骸に気付いていない。

(ボンゴレなら雲雀君の居場所を知ってるかもしれないですね‥。)
「ボンゴ、っ!」

綱吉に声を掛けようとすると丁度雲雀がやって来たので骸は思わず身を潜めてしまう。


「ひ、雲雀さん!」

「やぁ、沢田綱吉。こんな時間に何してるんだい。早く帰らないと咬み殺すよ。」

「ひぃっ!すいません、今帰ろうとしてたんです!」

「そう。‥あ。君、あまり問題ばかり起こさないでくれるかな。風紀委員も暇じゃないんだ。もし守れなかったら‥‥‥夜道には気を付けなよ。」

(この人絶対闇討ちする気だー!!)
「ど、どっちも気を付けます!」

雲雀の明らかな含んだ物言いに綱吉は心の中で突っ込みを入れる。

「まぁ、精々気を付けなよ。じゃあね。」

雲雀は言いたいことだけ言うと踵を返し応接室のある方向へ姿を消した。

(‥‥僕の時と随分態度が違うんですねー‥、!)


『骸だけにだよ。』


雲雀と綱吉のやり取りを見ていた骸は雲雀の自分に対する態度と綱吉に対する態度の違いを改めて実感すると、その時骸の頭によぎったのはいつかの雲雀の言葉。

(本当に、僕にだけなんですね‥///)

骸は思わず頬を染めてしまう。

あぁ、この感情はやはり恋慕の情。
僕は雲雀君に恋をしているのですね‥‥

そう言えば、僕だけだと言う前に何か言っていましたね、何でしたっけ‥



『‥友達の骸だけにだよ。』

『友達の骸だけ』

『友達』


!!

‥そうでした。
僕はとんでもない思い違いをしていた様ですね。
僕と雲雀君は友達。
雲雀君は僕と友達と言う関係を望んでる。
裏を返せば友達以外の関係は望んでいない。

それなのに僕は‥‥‥‥。

そんな雲雀君に恋慕の情を抱くなど‥、どう考えてもルール違反だ。
折角雲雀君が友達になってくれたというのに。
それ以上をも望んでしまうなんて‥
厚かましいにも程がありますね。
僕も誠意を持って雲雀君に接しないと。
雲雀君の望む友達でないと‥。
それでも、友達と言う形でいいから少しでも雲雀君の側にいたいと望む僕は狡いですか‥?








最近‥
骸の様子が変だ。
なんだかよそよそしい。と言うか、軽く避けてる‥?
感じがする。

さっきだって何時もなら逢ってすぐに抱き着いてくるのに今日に限って抱き着いて来なかった。

もしかして嘘だってバレて嫌われた‥!?

‥いや、それはないだろう。

骸なら露骨な拒絶をするか、何かしら言ってくるかする筈だ。

今の骸を見ると軽く避けてはいるけど僕の嘘に気づいた様子はないし。




その後も骸の態度はなおらず、更に悪化する一方だった。


ついにはこの間骸はいきなり雲雀にクロームを彼女にしたらどうだ等と薦めだした。


一体骸は何を考えているの?

僕にその女子薦めてどうするの?

僕と一緒にいるのが嫌になった?

ねぇ、骸‥





「雲雀君はクロームをどう思いますか?」

骸は応接室のソファーに座りながら雲雀に尋ねる。

「‥‥‥。」

その言葉に雲雀の顔が曇る。

「雲雀、君‥?」

それに気づいた骸は不安げに雲雀を見遣る。

「‥ねぇ、骸。僕が嫌いになったのかい?」

「!?」
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