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□真顔で変態
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性的倒錯があって、性行動が普通とは変わっている状態。変態性欲。












「………は?」
「“変態”という言葉の意味です。是非君に知っておいて欲しいと思いまして」

いつでもどこでもワンタッチ欲情というハタ迷惑な特技を持つ雲雀くん。
現に今も、屋上でお昼を食べていただけなのに、風の所為で髪の毛が口に入ってそれを取った、只それだけで欲情されて。
見事に彼に組み敷かれてしまった。

「僕に変態を学習させてどうするの」
「理解という行動を通して、自らの行いを悔いてくれればと期待しました。ぶっちゃけ無駄だろうと思ってましたけど」
「こら、ぶっちゃけなんて言葉使わないでよ。何をぶっちゃけたいの、潮かい?母乳?」
「コラは僕の台詞ですよ。出産はおろか妊娠もしてないのに母乳出たら只の異常です。…何でもかんでもシモに結び付ける君が変態じゃ無くて誰が変態ですか」
「誰って、そりゃあ…」

爽やかに風が吹き抜ける屋上で、大胆にスカートを捲られる僕。
現れた下着の上を雲雀くんの指先が、触れるか触れないか、もどかしい距離感を保ってなぞる。

「こんな場所で、パンツ見られて濡らしてる、君でしょ」

下着越しに割れ目をなぞる指、
くちゅ、なんて濡れた音が、風の音に重なった。

「ほら、自分で脱いでみせてよ」
「っ…嫌ですよ、何で僕が」
「直ぐに脱いじゃ駄目だよ。焦らすみたいにゆっくり、スカートの中で脱ぐんだ」
「だから嫌だって言っ、」
「乳首を摘まみながら、流し目も忘れないでね。あ、上は着たままで良いから、脱ぐのはパンツとブラだけで。着衣セックスって必要最低限って感じがしてイイよね」
「………」

スイッチの入った雲雀くんは目的を達するまで絶対に止まらない。
普段なら力尽くで脱する事も出来るが、今は、指の愛撫に反応してしまってあまり力が入らないから。

「…あんまり、見ないで下さいよ」
「知ってる、それ“フリ”ってやつでしょ。つまりよく見ろって事だね」
「どこぞの芸人みたいなリアクション期待してませんから。そのままの意味です、歪曲して捉えないで下さい」

仕方なく。
あくまで仕方なく承諾してやると、雲雀くんは大人しく僕の上から退いた。
余程、僕が自分から下着を脱ぎ去るのを見たいらしい。
しかも焦らす様にゆっくり、Tシャツの上から乳首を弄りながら、流し目で。
…こんな要求…立派な変態だろう、どう考えても。

「ぁっ、」
「ワォ、見えた。今日風強いもんね、気を付けなよ」

下着を膝の辺りまで下ろした時、少し強めに風が吹いて、剥き出しの秘部を雲雀くんに見られてしまった。
そりゃ見えるだろう、至近距離でガン見なのだから。

「…っ…、変態」
「まだ言うの?その変態に挿れられてあんあん啼いてイッちゃいながら気絶しちゃうのは誰?」
「…………っ!」


酷く愉しそうな笑顔が、堪らなく憎らしい。

そのにやけた両目、終ったら速攻目潰しかましてやる。






そう、固く心に誓った。












(ほら、脚開きなよ)
(あ、あっ…、見ないで…)
(…直ぐそうやって煽る…)

(仮に僕が変態だとしても、悪いのは君だよ)
(君には僕を変にさせる力が有る)












fin.

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