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□無意識下の哲学
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「まーさかぼーくがこーのー手ーで♪」
ペンの走る音と、僕の歌声。
それしかない部屋の中。
「君ーに触ーれーるなーんーてね♪」
何故唄っているのかって?
簡単ですよそんなん、雲雀くんの気を引く為です。
「きーみはその甘さー故、僕にー、乗っ取ーらーれーるー♪」
雲雀くんってば毎日毎日僕を黒曜中から呼ぶ癖に、いざ来てみたらずっと放置なんですもん。
折角同じ空間にいるんです…構って貰いたいじゃないですか。
「ごー覧ぼーくのオーッドーアイ♪」
手っ取り早くこっちに注意を向けさせようと、仕事の邪魔になるのを承知で唄い始めたんですけど、…無反応なんですよね雲雀くん。
僕を見るどころか、もしかしたらこの歌さえ聴いていないかもと思ってしまうくらいに。
「おーびーえたーかーおうーつーすーよ♪」
…自分で言うのも何ですけど、かなり邪魔な筈ですよねコレ。
この雑音の中であっても集中出来るなんて、凄いとは思います、けど。
「逢ーえて嬉しいでーすよー、なんてーベタ過ーぎーですー♪」
…流石に、そろそろ限界ですよ。
どうせ無視するなら最初から呼ばなきゃ良いじゃないですかっ!
「クフフ…♪」
あーそうですか無視ですか。
もう良いですよ解りましたよ!
ヤケクソってやつですね!
「さ・あーぼーくとー、子作りーしませ・ん・か★」
「うん、じゃあしようか」
「…何でこういう時ばっかり反応するんですか…」
「条件反射だよ」
あんなに邪魔したのに、何でよりによってこのタイミングで反応するんですか君は。
そういう意味で構って欲しい訳じゃなかったのに…。
(君の歌声は邪魔になんかならないよ!)
fin.
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