名探偵2
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「ショウネンタンテイダン?」
彼女は拙い日本語を発した。
「そうなんです。僕たちは少年探偵団なんですよ。」
「私は歩美だよ。何て名前なの?」
「??」
彼女はどうやら早口の日本語は聞き取れないらしい。俺は英語で話しかけてみた。
「I'd like to ask your name.」
「I am ナマエ.」
彼女は流暢なクイーンズ=イングリッシュを話した。
「そっかナマエって言うんだね。family nameは?」
この病室には表札がない。何かあるのか?
情報は多い方がいい。
そう思い聞いてみるが
「family name?」
どうやら彼女はfamily nameと言うものを知らないらしい。
「Please tell me the name of your father and mother.」
そう聞いてみると、
「father?mother?」
まるでお父さんとお母さんという単語を始めて聞いたという顔をされた。
灰原も首をひねっている。
どうやらこの少女からは組織の匂いはしないらしい。
「お前、父ちゃんと母ちゃん知らないのか?」
「ちょっと小嶋君っ」
灰原が元太が余計なことを口走る前に遮った。
この年の子は割りかしナイーブだ。
それからは後は問題も起こらず30分ぐらい話してから俺らは彼女の病室を後にした。