短編

□2015 リヴァイ誕生日祭
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「リヴァイ、何を見ていたの?」

リヴァイの誕生日を一番に祝おうとそっと私室に足を踏み入れると彼は何かを大事そうに見ていた。 しかし、ラリサの姿に気が付くとそれをそっと隠した。

…他の女の人からのプレゼントかしら、それとも貴族のご令嬢から?

ラリサは隠された物が何か気になって仕方がなかった。人間隠された物は余計に知りたくなってしまうものである。それに、『隠す』と言う行為事態許しがたい。やましいことでもあるのだろうか?

リヴァイは調査兵団の兵士長で背は小さいが顔は素敵だ。
出るところに出れば貴族のご令嬢の視線を我らが鬼畜団長と共に集める。
また、町へ出掛けてもしょっちゅう女に囲まれるのだ。

ラリサは少し考える素振りを見せると、何かを決意してリヴァイに寄った。

壁に寄りかかり気だるそうなリヴァイの首に手をかけてその唇を奪い湿っぽい艶やかな声で

「リヴァイ、お誕生日おめでとう。産まれてきてくれてありがとう。」

と、言った。

「あぁ、」

短い返事の中に彼からの情愛が見えた。

もう一度抱き付くと先程よりも力が抜けていた。

よし、貰った!

心の中で叫びながらそっと背後に隠された物を手に取った。




「……靴?」

それは、小さなボロボロの靴だった。

「あぁ、靴だ。お前が心配していることではねぇーよ。」

リヴァイも観念したようラリサの頭を優しく撫でながら言った。

「これ、どうしたの?」

と、問えば

「さぁーな、覚えてねぇ」

素っ気なく視線を反らされる。

「嘘つき。」

唇を尖らしキスをねだれば激しいキスをお見舞いされる。

「り、ばぁい、んっ、気に、な、るの、」

必死にすがり付くと彼は溜め息をついてキスを止めた。どうやら教えてくれるらしい。

彼はそっと立ち上がり暫くしてから紅茶を2つ持って戻ってきた。

「身体が冷えてる、飲め。」

強引な言葉と裏腹の彼を見てクスッと笑うと、頬を赤くし頭を抱えた。

「リヴァイ」

「あぁ、これはなガキの頃ケニーって奴から貰ったんだよ。数十年前のこの日にな、」

その一言で私はすべてを察して自身を責めた。

「そう…素敵な贈り物ね。」

声を絞り出すと、彼は私を抱えてベッドへ下ろした。

「ちょっと待ってリヴァイ、明日も訓練がっ」

非難めいた声を出すが、彼はすでに私の上に跨がっている。

そして、

「俺はお前からケニー以上のプレゼントが欲しいのだが?」

彼は最高に楽しそうな顔をして私に言った。ボッと顔に熱が集まるのがわかる。

私はただ、首を上下に振ることしか出来なかった。


ーーー

続くかもしれない。



リヴァイ兵長お誕生日おめでとうございます。

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