名探偵2
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気が付いたら知らないところにいた。確か、私は道を歩いていた筈なのに。
私は今朝起きたらいつもよりも幾分体調が良くてそっと病院を抜け出して近くを散歩していたのに。ナマエはビクッとして起き上がるとキョロキョロと辺りを見回した。そこには誰もいない。
「ここは、どこ?」
ほんの少し朝よりも重くなった身体を起こすと、
「あぁ、目が覚めましたか?」
眼鏡をかけた目が細いお兄さんがいた。
(さっき見たお兄さん?)
「うん‥。」
ほんの少し怖くなってMr.redをギュッと、思い切り抱き締めた。
「体調は大丈夫ですか?」
そんな、ナマエを知ってからなのか彼はほんの少し距離を保ちながらも目線を合わせて問いかけてくれた。
「だいじょうぶ。」
掠れた声で言えば彼はホットミルクを持ってきてくれた。
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
受け取ったホットミルクはほんの少し蜂蜜が入っていて美味しかった。
「私は沖矢昴です。君は?」
「‥ナマエ‥。」
ー
赤井は先程の少女が目覚めた事を確認すると素早くホットミルクを作り少女の元へ向かった。
「あぁ、目が覚めましたか?」
普段よりも優しく聞いてみると彼女はビクッと肩を揺らしながらも
「うん‥。」
と、返事した。
彼女を怖がらせないように適度に距離を保ち目線を合わせる。
「体調は大丈夫ですか?」
顔色があまり良くない彼女に問えば、
「だいじょうぶ。」
と、掠れた声でかえってきた。
その間にも手にしていたテディベアをギュッと力強く抱きしめている。
(さて、どうしたものか‥。)
「私は沖矢昴です。」
「‥ナマエ‥。」
彼女は小さな声で名乗った。やはりまだかなり警戒されているらしい。
(当たり前だな。)
わかっているがやりにくい。
赤井は本気で頭を抱えた。
そして、数十分後インターホンが鳴った。