名探偵
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私は今、我が愛車“じゃじゃ馬”とも言われるフェラーリを爽快に走らせている。
窓を全開に開けて涼しい心地のよい風に髪を靡かせていると、
〜♪
仕事用の電話がなった。
「…。」
あまりよい予感はしないが、と、言うよりもほぼ悪い知らせなのだが給料を貰っているわけだしとらないわけにもいかない。
仕方がなくイヤホンマイクを耳につけて電話を取ると
「ナマエ、どこにいる?」
「シュウイチ…×××にいるわ。」
「そうか、ならば×××に来い。ジェームズが誘拐されてな。まぁ大したことはないが、少し興味深い事があってな。」
「わかったわ…了解。」
午後からの出社の筈だが仕方がない。それに、シュウイチの言っていた興味深いことも気になる。
アクセルを思いきり踏みこみ交通違反の速度でシュウイチのもとへとのむかった。
…どうしてボスは誘拐なんてされたのかしら?
多分シュウイチの興味深い事はこれに関連しているわね。
何せFBIがただの誘拐犯にそう易々と誘拐されるわけがないからね。
通常速度の倍の速さで運転した為にじゃじゃ馬の後ろには何台ものパンダさんがくっついていた。
「…後でボスに揉み消してもらいましょう…。」
そう思いながらもう一度シュウイチに電話をかける。
「シュウイチ、どこにいるのかしら着いたわよ。」
「あぁ、そろそろ来るはずだ。お前はその辺にいろ。」
ブヂッ
そう言われて電話は切られた。
…何て勝手なやつなんだ。
っていつものことよね。
何て考えていると後ろからまた新たなパトカー、よく見ると後部座席にボスの姿が見える。そしてその近くには…シュウイチのシボレー。
「あぁ、そう言うことね。チェックメイトだわ。」
バックミラー越しに観察していれば黄色いビートルが映る。
あれは…工藤新一。
「ふーん、中々やるわね。」
ボスが誘拐された理由がわかった。きっとボウヤと何処かで接触をして気になり試してみた。と、言うところだろう。
そんなことを考えていると急に車が急ブレーキをかけて…誘拐犯は警察官に囲まれて…解決解決。
うん、私の用は終わった。
この騒ぎに乗じて先程のパトカーを一旦巻こう。
私は再びじゃじゃ馬を発進させて周りの車に溶け込んだ。
「シュウ、ボスをかいしゅうしたわよね。私は先に本部に行くわ。」
留守電にそれだけいれて先を急いだ。