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□恋せよ乙女
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「自分、有名人なんやなぁ。」
知らんかったわ、と笑う男の髪は相変わらず白い。
苦労してんだなぁと他人事のように思いながら、
隣を歩く光を見上げた。

「なん?」

桃花の視線に気付いた光は首を傾げて見下ろしてくる。
そう、見下ろしたのだ。

「もっと高いヒールはないの!」

いつもの癖で叫ぶ。
顔を青くしたADの人や衣装スタッフさんが運んできてくれるものは
今日に限ってなかった。
誰もいないのは、不便だ。


「何や、どないしたん?」
「買い物行く。」

来ないなら自分からいくまでだ。 
面倒くさいけど、と思いながら渋る男子を一喝してショッピングモールへ向かう。


目に付いた店にはいると気に入った物は全部買った。
三軒目にいくころには3人の手はいっぱい。
荷物持ちとアッシーが足りない。
仕方なく使用人を呼ぶことにした。


「お茶にする。」
 

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