進撃 あなたの為に
□審議
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☆夢主視点
ーーーーあれから数日。
エレン君は未だ外には出してもらえず、審議所の地下で拘束されている。
……私が、今日が審議の日であることを知ったのは、つい昨日のこと。
参加を促されたので、私は今審議所にいる。
「アリエラちゃん!」
『!』
背後からいきなり飛びつかれる。
振り返らずとも、声と行動でその人物は容易に特定できた。
『……ハンジさん…』
調査兵団所属、ハンジ・ゾエ分隊長。
巨人の生態について調べる、生粋(きっすい)の変人だ。
「おはよっ!今日の審議、参加してくれるみたいだね?」
こう言うが、参加するよう誘ったのは紛れもなくこの人だ。
団長命令にされてしまえば、私だって参加せざるを得ない。
それを知っているから、ハンジさんはその方法につけこんだらしい。
『はい…お誘いを受けては、断れませんから』
私の返事を聞いて、ハンジさんの表情が明るくなる。
「そっかそっかー!じゃ、ちょっと打ち合わせしよっか」
え、打ち合わせ…?
予想外の言葉に、私はたじろぐ。
審議に打ち合わせなんて、いるの…?
私は審議に参加したことは無いからよく分からないけど、普通そうなの?
そう思ったら、またハンジさんが続ける。
「ちょっと今回は相手が厄介だからねー、なんとか勝てるように作戦立ててあるんだ」
『……作戦…今回は……?』
「……あ、普通はこんなの無いからね?」
『そ、そうなんですか……』
危うく間違った知識をつけそうになった……
そして、私とハンジさんは別室に向かった。